あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

『アンネの日記』 2014年8月 (100分 de 名著)

『アンネの日記』 2014年8月 (100分 de 名著)

『アンネの日記』 2014年8月 (100分 de 名著)

日記文学」として読むアンネの日記である。小川氏自身が書くように全体主義/ナチズムを知るテキストとして読むことも勿論、可能であり重要なことであるが今回はひとりの少女の豊かな感性と成長を読むテキストとして「アンネの日記」を読んでみようと試みている。我々はその後のフランク一家に起こる悲劇を知っているが故に、逆説的ながら命の尊厳と平和の大切さを意識せずにはいられない。


 ちなみに管理人の感想よりNHKのHPの方が、よほど詳しい(苦笑)。

8月に取り上げるのは、ナチスドイツ占領下のアムステルダムで、ユダヤ人狩りを逃れ隠れ家で暮らした日々を記録した「アンネの日記」です。著者はユダヤ人の少女、アンネ・フランクホロコーストの悲劇を象徴する一冊として名高く、聖書に次ぐベストセラーともいわれています。皆さんも、子供の頃、一度は手にとった人も多いかもしれませんね。
アンネが使った日記帳は、13歳の誕生日プレゼントでした。最初は、学校での先生や友人との出来事、厳しさを増すユダヤ人差別の状況などが書かれています。しかしすぐにユダヤ人狩りの手が迫り、2年間にわたる潜伏生活が記されることになります。
日記は戦後、唯一生きのこったアンネ・フランクの父オットーによって出版されました。その時オットーは、家族や同居していた人々への批判や、「性」についての記述を大幅に削りました。1991年、この削除されていた部分を復活させた「完全版」がまとめられました。「完全版」では、「性」と向き合い大人へと成長していくアンネの姿が赤裸々に表現されています。
案内役となるのは、作家の小川洋子さんです。小川さんは、アンネの関係者を訪ねた本も執筆していて、熱烈な「アンネの日記」ファンとして知られています。小川さんが最初に「アンネの日記」と出会ったのは中学1年の時でした。その時は難しくて意味がよく分からなかったそうですが、高校生になって読んだ時に、親への反抗心や、異性への憧れ、将来への希望や不安などが、手に取るようにわかったといいます。小川さんは、アンネの精神年齢の高さに驚くとともに、言葉とはこれほどまでに人の内面を表現できるものなのかと思い、作家になることを決意しました。また大人になって読んだ時には、親としての立場からアンネを見るようになり、その時も新たな発見があったと語っています。
番組では、小川さん独自の視点を通してアンネの日記を読んでいきます。また小川さんが会った関係者の証言も交え、潜伏生活がどんなものだったかにも迫ります。
「悲劇の少女」、「戦争中の貴重な証言」という視点からだけでなく、思春期の少女が、「日常のかけがえのない瞬間」を生き生きと描いた、稀有な文学作品としても味わっていきたいと思います。