- 作者: 咲坂伊緒
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/08/25
- メディア: コミック
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物思いをしながら遠くを見る冬馬の表紙にあるように、今回は「あー、このまま押し切られちゃうんだろうなぁ」と思うような展開だった。
もともと双葉、洸、冬馬、いずれの登場人物に思い入れがあるかによってこの巻の展開には好き・嫌いが出てくると思う。管理人自身はカント的なモラリストなので、いったん「付き合います宣言」しておきながら洸と一緒の行動を取ってしまう双葉の行動はかつて洸に対して自分が非難した行動と同じ行動で、それこそどうなんだ?という思いがある。そこに本人も悩んでいるようなのだが、だったらそれは行動で見せなきゃダメだろう。なんというのだろうか、浮気を非難しておいて自分も不倫をしているようなインモラル感を持った。
もっとも、そこが主人公補正なのだろう。だから話の方向性は完全に洸と双葉、に向けて進んでいるように思う。今後は、双葉との関係を冬馬が自分で壊してしまうか、どうかが気になる。
ところで、双葉と洸がグダグダしているからこそ、なのかもしれないけれど小湊の気持ちの良いほどの人柄が光っているように思う。「だがばあ」(駄菓子屋のお婆ちゃん)とのエピソードは辛いけれど暖かだった。