あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

仲正昌樹『精神論ぬきの保守主義』 (新潮選書)

精神論ぬきの保守主義 (新潮選書)

精神論ぬきの保守主義 (新潮選書)

 ヨーロッパ思想史を専門とする仲正・金沢大教授による「制度的保守主義」について解説した一冊である。ピンポイントに保守主義を取り上げた新書や選書の類は存在しないと思ったので、学問的な意味での「保守主義」とは何か?ということを知りたい人は必ず読まねばならないだろう。また「保守」を自称する人たちも一読せねばなるまい。ヒューム、バーク、トクヴィル、バジョット、シュミット、ハイエクという西洋政治思想史では必ず触れながらも一般的にはなじみが薄い思想家のアウトラインを紹介することで保守主義を掴むといった所である。
 シュミットを例外的に扱えば、思想史的には設計主義や理性によるラディカルな変革に対する懐疑が挙げられる。そのベースには現状の肯定があるがゆえに、慣習や制度に対する積極的な考察が為されるのである。なお、Amazonでは同署に対する、ピントの外れたレビューがされているが、このあたりにも「日本保守主義」の非・保守主義的性格が表れているように思われる。