あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

第107回青山学院管弦楽団定期演奏会

 知り合いの子による招待を受けて、青山学院管弦楽団定期演奏会に出かける@東京オペラシティ。指揮は清水宏之、ヴァイオリン独奏は岸本萌乃加による。曲は「さまよえるオランダ人」、ブルッフスコットランド幻想曲」、ブラームス交響曲第1番。全体的にエネルギーを感じさせる演奏だった。
 「さまよえるオランダ人」(もちろん序曲)は冒頭のホルンと低弦の響きによってまさに「ワーグナーの世界」へと引き込んでいった。ブルッフスコットランド幻想曲は過度なロマン主義的な表現に偏らずともこの曲は充分にロマン的であるのだ、という思いを強くさせる。端正な演奏がゆえに、曲に内在する美しさが際立っていたと思う。ヴァイオリン独奏の岸本は中低音が美しい。なんだかとても緊張しているように見えたので、もっと伸びやかに演奏する姿を聴いてみたいと思った。多分、こぢんまりとしてしまったのではないだろうか?
 今回、一番認識を改めたのはブラームスの1番だった。冒頭こそ、6/8拍子で重々しく始まったと思ったが、allegroになってからは一気に若々しく、青春のエネルギー全開であった。思えば、全曲を通じて、その若々しさが非常にプラスに作用した希有な演奏ではなかっただろうか? ブラームスが第1交響曲の作曲を決意したのはまさに20代の初めだったことを想起せずにはいられない。特に第4楽章の転調して以降の主題は喜び溢れる、エネルギーに満ちた演奏だ。ビューローが「第10交響曲」と言った意味はその意味で完全に正しく、同曲でこれほどまでに爽やかな感動を得たのはかつて無かったと思う。