芝健介『ニュルンベルク裁判』を読む
- 作者: 芝健介
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2015/03/27
- メディア: 単行本
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杉田敦先生も書評で述べていたが、ニュルンベルク裁判を戦後西独は受け入れてこなかったという史実にも驚いた。西独の「過去の克服」が決してすんなりと始まったわけではなく、冷戦構造などにも作用を受けながら、また、細々と戦争犯罪行為の究明を進めていた人たちの努力によっても、徐々に、ドイツ社会が「過去の克服」へと取り組んでいったことが分かる。本国ドイツにおいても継続裁判の研究はほとんど進んでいないと言う。この手の問題や戦後ドイツ史の知るための、最初の一冊になるのだろうと思った。