あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

芝健介『ニュルンベルク裁判』を読む

ニュルンベルク裁判

ニュルンベルク裁判

 先日の研究会で芝先生自らによる『ニュルンベルク裁判』の報告会をして頂いた。この本を読みながら、初めて「継続裁判」というものが存在するのを知って勉強になる。ニュルンベルク裁判ならびに継続裁判をみて、初めてこの裁判全体を理解できるというのは、まさにその通りだと思った。
 杉田敦先生も書評で述べていたが、ニュルンベルク裁判を戦後西独は受け入れてこなかったという史実にも驚いた。西独の「過去の克服」が決してすんなりと始まったわけではなく、冷戦構造などにも作用を受けながら、また、細々と戦争犯罪行為の究明を進めていた人たちの努力によっても、徐々に、ドイツ社会が「過去の克服」へと取り組んでいったことが分かる。本国ドイツにおいても継続裁判の研究はほとんど進んでいないと言う。この手の問題や戦後ドイツ史の知るための、最初の一冊になるのだろうと思った。