第99回東京オペラシティ定期シリーズ
モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番*
マーラー/交響曲第5番
ショパン / ノクターン 第20番 嬰ハ短調
指揮:チョン・ミョンフン
ピアノ:小林愛実*
東京フィルハーモニー交響楽団
久しぶりの東フィル&ミョンフンによるモーツァルトとマーラー@東京オペラシティだった。学生時代はオペラシティがそこそこ近かったこともあって、定期会員をしていたけれど、仕事をするようになってからは専ら、東京文化会館である。音で言えばオペラシティは素晴らしい。もちろん、文化会館もはまったときは凄いし、あの昭和チックな建物は個人的にはもの凄く愛着がある。
さて、モーツァルトのピアノ協奏曲23番なんだけれど、この曲は結構聴く機会があって、自分も好きな曲だ。CDだとハスキルかなぁ・・・。今回、ミョンフンによる弾き振りのはずだったが、指の故障のため急遽代打として小林愛実がソリストに迎えられた。ピンチヒッターにもかかわらず、大過なく弾けていたと思われる。スゴいプレッシャだったと思うんだよな、ミョンフンの弾き振りじゃないのかよ!?という客を説得する演奏をしなくちゃいけないのだから。
小林のピアノは正確かつクリアな音色だった。聴きながら、リストやラフマニノフなんかちょうどよいのではないかな?なんて感じる。もっとも、モーツァルトは自分の好みとは言いがたかったかな。23番って長調だけれど短調的寂しさがあると思うんだけれど、個人的には第一楽章なんかは、明るさのなかに寂しさみたいな詩情が感じられた方が良い。自分の中ではラローチャの来日公演が基準になっているのも一因かも。
アンコールは得意のショパンだけあって「ザ・ショパン」的なすばらしさ。
後半のマーラーは形容が難しい。端正と言えば端正。コバケン的でもインバル的でもない。テンポが大胆に変わるわけでもないがさりとて、アバドの晩年の演奏みたく角が取れているような感じもない。アッサリ過ぎずしつこすぎない演奏と言えばいいのか。コンバスのピチカートは弾けているしホルンも朗々としていて立派なものだ。
スマートに弾ききるもんだから、大音響の迫力なのになんか涼しげなのだ。まだ自分なりに消化するのが難しいかなぁ。