あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京都交響楽団 第825回 定期演奏会Cシリーズ

東京芸術劇場コンサートホール
指揮/ダニエーレ・ルスティオーニ
デュカス:交響詩魔法使いの弟子
レスピーギ交響詩《ローマの噴水》
ベルリオーズ幻想交響曲 op.14

 イタリアの俊英・ルスティオーニを客演に招いての都響C定期を聴いてきた。魔法使いの弟子、ローマの松、幻想交響曲と名曲だらけのコンサートだったが、伸びやかに・上品に歌わせるルスティオーニの手腕は見事だった。芸術劇場3階前列だったが1階だとまた違った印象を受けたに違いない。
 魔法使いの弟子も、情感たっぷりに、時折、緩急を織り交ぜて演奏する。この曲から伸びやかな弦の響きである。レガートを聴かせながらしなやかに歌わせると、CDなんかで聴く「あ、ジュリーニ!」というような気持ちがしてくる。そして水汲みのテーマが溢れ出さんとするときの迫力!
 ローマの松は冒頭がとにかくデリケートに始められる。なんだかロマンティックな印象さえ受けてしまった。ルスティオーニも非常に安心しているというか、演奏そのものに迷いがない。伸びやかに歌うのだけれど、トスカニーニムーティとは違ったローマの松だ。できれば彼の指揮で3部作を聴きたい。
 後半の幻想交響曲もまた「歌う」演奏だ。2楽章の舞踏会ではコルネット有りというオールドスタイルが面白い。しかし3楽章までは美感を損ねない上品な響きでヒトによってはもっと迫力を求めたいかもしれない。4楽章からはアクセル全開、チェロにコンバスのゴリゴリとした強奏が地響きのように感じられる。断頭台のシーンはおぞましいほどの打楽器の強打!
 とにかくコーダに向けて非常に勢いのある演奏である。指揮姿もヤマカズかバーンスタインか、というくらい伸縮・大振りだ。
 ルスティオーニ、イイ指揮者じゃないですか! 都響事務局の皆さんは、どうぞ青田買いということで、今から首席客演にでも招いてはどうだろう。イタリア系はこのところ都響指揮者陣からは居なかったので、方向としては面白い。(ポスト・フルネ氏を継ぐフランス系も欲しいところ)