あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

NHK交響楽団 第1883回定期公演

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
ピアノ:マリア・ジョアン・ピレシュ

ベートヴェン
ピアノ協奏曲 第4番ト長調op.58
交響曲第4番 変ロ長調op.60

 N響定期演奏会、今日はブロムシュテット指揮によるベートーヴェン・アーベントだった。ピアノ協奏曲4番のソリストはピリスである。そうであればこそ、N響まで聴きに行くのだ。(ちょっと平日の夜にしてはNHKホールは不便)。今日は休日出勤の代休だったので、睡眠時間も万全(笑い)。通常だと、週末はもう意識が飛んでしまいそうになるけれど今回は大丈夫だった。
 ピリスはサントリーでのリサイタルに続いて、である。前回はソロコンサートだったけれど、名匠とのコンツェルトはどうなのか・・・。期待しながら聴いたけれど、まさに「音楽する」と言った感想を持った。前回のソロコンサートと同じく、技術的には万全、とは言えなかったかもしれないが、4番を宗教的に弾く(そういう演奏も必ずしも嫌いではないけれど)といった次元にピリスはなく、この曲の持つ思索的な、たおやかさ、とでもいうべきこの曲の美質が十二分に再現されていたと思う。特にメゾピアノで弾く右手の何という美しい響きだろう!
 テンポも人びとの息づかいが感じられるような穏やかなもの。遅いとかではなく、「これが自然なんだよ」と穏やかに語りかけるような、そんな音楽だった。このスタイルで聴く4番としては最高峰。ハーディングとも録音が残っているけれど、ブロムシュテットとのこの演奏を翌日も録音して記録として残しておく絶対の価値がある演奏だ。

 後半の第4交響曲は枯淡とは無縁の極めて健康的な演奏。目を瞑って聞いたら齢90を超えた指揮者の演奏とは絶対思えない。なかなかに切れ味鋭い、颯爽と、そして神経質にならない充実した響き。いまでは耳にすることがめっきり減ってしまった演奏である。それにしてもブロムシュテット若いな。