あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京シティ・フィル 第343回定期演奏会

バーバー:弦楽のためのアダージョ 作品11
バーバー:交響曲第1番 作品9
伊福部昭:ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲

指揮:下野 竜也
ピアノ:小山 実稚恵

 東京シティ・フィルの定期演奏会を聴く(東京オペラシティ)。
 下野竜也の指揮でバーバーと伊福部昭という20世紀の傍流とも言える大作曲家による作品群だ。取り合わせ的にこの両者でプログラムを組むことはおそらく初めてではないだろうか?

 バーバーは弦楽のためのアダージョ交響曲第1番。
 バスを存分に弾かせた重厚な音作りと、戦前のともすれば牧歌的な・懐かしさの残るような大らかな曲に仕上げた。個人的にあんまりバーバー得意じゃないけれど、面白いなぁ、と。
 一方で軟焦点気味だったのも事実でそこは好みが分かれそうだ。

 伊福部昭はピアノと管弦楽のための協奏風交響曲だ。実演は初めて。CDも伊福部昭の芸術シリーズでしか出てなかったのでは?
 「お蔵入り」したかった、と本人が言っているようにシンフォニア・タプカーラやリトミカ・オスティナータに昇華されていて、聴いてみると荒削りなところがあるけれど、そこが魅力的でもある。(ブルックナーの初稿の交響曲みたいな話で)
 小山実稚恵もいまこの曲を弾き切る最高の解釈者ではないだろうか。乱暴ではない、原始的な・根源的な人間や自然の持つ力強さと、アジア的な土臭さ・スケール感が見事に融合していた。逞しい演奏。なお、余談ながら、客席に高関さんいたように思うんだけれどなぁ。。。(目が悪くてイマイチ確証がない→後日いらっしゃったと連絡を受けました。ありがとうございます)
 あと、伊福部ファン、いるのはいいんだけれど、姿勢が前のめりだったりとあまり行儀がよろしくない。そこは興が削がれたのは残念。