細川俊夫:オーケストラのための《渦》(2019)
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 op.19
ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲《展覧会の絵》
【ソリスト・アンコール】
サミュエル・アダムス:ヴァイオリン ディプティック
指揮/準・メルクル
ヴァイオリン/五明佳廉
渦はバンダやら水の音を実際に出したりと意欲的な音楽。まんま「ザ・現代音楽」って感じで、一歩間違うと博物館の展示のBGMになりそうなんだけれど、ギリギリでそっちにいかないようになっている。ただ、20強はちと長い。15分くらいでいいと思う。ご本人来ていてそんなことを思うのは申し訳ないけど。
プロコフィエフは五明の繊細なニュアンスが存分に発揮されて楽しい曲だった。一方で文化会館なので後方の席だと音量に不足するので苦しいか。自分は前列の座席なのでその辺りは気にならないけれど、どうだったろうか?
アンコールはよく鳴っていた。
休憩を挟んで展覧会の絵はそれぞれの組曲に個性を持たせた演奏。トスカニーニみたいな直球タイプの演奏ではなかった。それでいうと結構ユニークで、ケレン味ある。もっともケレン味あっても展覧会の絵なので、そういう演奏も十分楽しめる。スラヴの土臭さっぽいようで、ロマン臭あるっていうのだろうか(笑い)。
それにしても展覧会の絵は定期的にプログラムにのるけれど、もうちょい他の選択肢はないのかなぁ、と思ったりする。シェヘラザードやらチャイコフスキーの弦セレとかラフマニノフの交響曲とかガイーヌやら面白いのに定期にのらんのだよなぁ。指揮者のレパートリーの問題なのか、芸術主幹や音楽監督の意向なのか。
面白く聴けたので良かったのだが、そんな贅沢な要望をしてみたい。(賛同は得られなさそう?)