あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

札幌交響楽団東京公演2023

 札幌交響楽団の東京公演を聴く。(サントリーホール)
 都響ガイドで案内が出ている、というのもあって(←これは都響の在り方として良い取り組み)、コロナ禍で特に大変だという札響の応援の意味も込めて奮発してS席をとった。(自分にとっては頑張った。笑い)

 武満は毎回ながら、よく分からん。(よく分からん,と言いながら、もう20年以上折に触れて聞いているんだけど)
モーツァルトのハープとフルートのための協奏曲はハープ(吉野直子)の流れるような、まさにハープ!と言いたくなる演奏。客席の耳元までハープの音が入り込んでくるような、そんな感じだ。フルート(ハインツ・シュッツ)は頭の悪い表現ながら「超うまい」かつ表現力豊か。アンコール曲も含めて、名人芸のような細やかなニュアンスを確かな技術で、かつ、軽々と吹いている(ように見える)から、こっちは凄すぎて笑ってしまうくらいだ。繰り返すけれど、ホント表情豊か。

 後半のシューベルト「グレイト」は第一楽章冒頭からイマイチ乗ってない?と思ったが、提示部(?)のリピートをしたところから俄然、オケのエネルギーが解放されたような感じになって豊かな響きになる。第一楽章は大人(たいじん)の音楽。セカセカしたところもなく安心だ。

 第二楽章以降はやや早めのテンポで推進力がある。ともあれクラリネットオーボエが素晴らしい。第三楽章以降はチェロとコンバスの刻みが印象的だ。札響は透明感のある響き、というイメージなんだけれど、今回は冒頭からバスがしっかりと立っているので響きに厚みと立体感が出ている。第四楽章はヴァイオリンのダイナミズムとでもいうのかリズム感というのか、思い切りの良さが曲のエネルギーにマッチしていてよかった。金管も安定していて、左右からバランス良く聞こえる。(ここは座席を奮発した甲斐があった)
 指揮のバーメルトは経験豊かなだけあって、しっかり鳴らしながら、かつバランス良く仕上げる手腕を発揮している。この辺さすが。唖然とするほどの大音量やスケール感ではなかったけれど、オケが一生懸命弾いていて、その一生懸命さがなんだかとても素晴らしいなと感じた。
 あと、今年も札響カレンダー買えてよかった。部屋に飾ろう。販売の人もありがとう。