あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

それでいいのか@ホワイトカラー・エグゼンプション考

時事通信2007/01/02-13:16「通常国会提出は時期尚早=ホワイトカラー残業代廃止で−太田公明代表」↓
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007010200058

 記事は公明党の太田代表がホワイトカラー・エグゼンプションの導入については慎重であるべしとの街頭演説をした、ってことなんだけどね。


 ホワイトカラー・エグゼンプションについては知らないヒトもいるので、下のサイトを参考にするとイイと思う。
 もっとも、メディアか厚労省(労働法学者でも良いんだけど)がきちんとした訳語を作らないからいけないんだよな。不作為というか、怠慢だと思うんだけど…。


iza(2006年12月25日)「残業代なくなる!? ホワイトカラー・エグゼンプション」↓
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/dompolicy/32819/

イー・ウーマン (2006年12月26日)「ホワイトカラー・エグゼンプションとは」↓
http://www.ewoman.co.jp/2005_news/gimon/50/


 簡単にいっちゃうと、労働基準法で1週間の労働時間は40時間と決まっているのに、それが除外される制度を作りましょう。というもの。
 イメージしやすくするには、年俸制って方が分かりやすいのかな。


 管理人がこの制度胡散臭いと思うのは、導入したがっているのが経団連なんかの経営者サイドだからだ。
 労働総研の試算によると、仮にホワイトカラー・エグゼンプションが導入された場合、11兆6000億円の残業代が「合法的に払わずに済む」ことになる。
 一人あたり114万円の残業代の不払いの合法化と言うことらしい。

 それだけ人件費が「節約できる」ことだから、経営者は躍起なのだ。経営者から政治献金企業献金)をもらっている自民党も導入に積極的なのは当然の道理だろうね。


 ここ数年の規制緩和成果主義の社会風潮のもとで、もっと柔軟な雇用(被雇用)形態が求められるのは分からなくもないんだけど、このホワイトカラー・エグゼンプションが盛んなのは「やっぱりアメリカ」なのである。
 もちろん、ドイツやフランスでもエグゼンプション制度はあるのだけれど、独仏両国の場合は(簡単に言って)幹部社員を年俸制にしてしまおうというモノであって、一般社員に適用するモノじゃない。


 派遣社員やあるいはパート・アルバイトなどの非正規雇用が進むなかで、導入されようとするホワイトカラー・エグゼンプション
 節約された人件費は正規社員の給料や株主配当、あるいは企業の拡大再生産へと使われる。仮にその方向が進めば社会はまさに「二極化」しかねないんじゃないかな。


 なんだか、アダム・スミスマルクスケインズ…っていう流れをまた辿るのでは?っていう気がしなくもない。歴史は繰り返す、みたいなね。
 そして、この方向性は彼らの主張する「美しい国」とはたぶん両立しない。
 そのあたりのこと、どー考えているんだろーか。

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追記
 はてなの解説には「サービス残業合法化」って出てたな。確かにその一面もある。
 もっとも、経団連からの答申があった時点でその側面は強いよね。