あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

毒餃子。


 世間では節分。今年は初めて「恵方巻」を食べてみた。
 もっとも、バイト先のファミレスのヤツをテイクアウトしただけなんですが…。
 ついでながら、豆撒きもしましたよ。

 このところ、近所で豆撒きする家は我が家くらいになりましたが…。


 さて、世間では中国で製造された一部の餃子に、リン系薬品中毒を起こしている問題がニュースで頻繁に取り上げられている。
 ただし、ニュース見て、精神的に病気になるヒトもいるだろうから(実際、餃子と無関係のケースもあるみたいだし)、実際どの程度の被害があったのかハッキリするにはもうしばらく時間がかかりそうだ。。


 ついでながら我が家は餃子が好きだから、バッチシ「例の」餃子があった。
 月に2回は手作りで餃子を作るのだが、やはり共働きな家庭なので、晩のおかずにもう一品欲しいときに冷凍餃子は重宝する。(現に、冷凍の宇都宮餃子を先週食べたばかり)
 

 それにしても、朝日や読売は「餃子中毒」なのにも関わらず、産経だけ「毒餃子」であるらしい。
 スゲー中国への敵愾心。このあたり「産経クオリティ」だ。
 ただし、あまり度を超した中国バッシングはかえって問題の本質を見えにくくしてしまうだろう。


 さて、以下雑駁な印象論。

 実際中国では、農薬であるメタミドホス(どーも、野菜への農薬残留が原因ではないらしいが…)の使用を政府が禁止していたにも関わらず、地方レベルでは周知徹底されていなかったという。

 中国はそれこそ古代から現在に至るまで、なかなか「法治」(法の支配)よりも「徳治」(優れた人物による支配)が優先されがちな社会であって、伝統的に法令が徹底されないという風土があるように思う。
 一つは、あまりにも巨大すぎる国家を束ねていくには、有力者の現場の判断が重要であったのだろう。もっともその巨大さが清朝末期のアヘン戦争以降、極めてマイナスに作用するのであるが…。

 オリンピックを控え、「先進国」の仲間入りをしたい中国にとっては法令遵守の徹底が為されないというのは痛い話だろう。
 もっとも、憶測の段階だが、残留農薬野菜よりも、加工の際の人為的混入であった可能性の方が高いとなれば、メディアで指摘されていた労働争議との関係も考えられる。

 そこで思ったのが、「共産主義国家」を公称する中国で労働争議が起こるというのもなんとも皮肉な話だとおもう。マルクスが考えていた科学的社会主義では労働者の賃金が抑えられると言うことは想定し得ない。(中国の現状を見てマルクスを批判するのは大きな誤りでどころか、全く間違っている)
 まぁ、これ以上は専門的になりすぎるので…。

 さて、認識しないといけないのは、中国食品が日本の食生活に相当程度浸透していて、今回の事件以降、「即輸入中止」とはむしろいかないところである。(このあたり、日本の貿易相手国が今や中国であるというのとリンクするが…)
 自給率が40%を切った日本において、食品の輸入なしで生活していくことは不可能だ。
 だとすると、どのような検査システムを日中両国で作っていくのか?と言う視点から、新たな制度的枠組み(スキーム)を作っていく必要がある。

 それと同時に、今後、同様な問題が起こった場合にすぐに日中両国で問題解決が出来るようなスキームも作っていかなければならない。その際、当然責任の所在を明確にしなければいけないから、関係省庁でよく連絡しなければならないし、また企業も製造と販売が分離しているこの状況で、どの段階で誰が責任を持つのかという、責任の所在をあらかじめ定めておく必要があるだろう。。


 従って、この問題は早晩にして政治問題化することになる。
 その際に、今挙げたような構想を政府は今から明確にしておかなければ、国民感情レベルでこじれてしまいかねない。(現に情報の非対称性から中国国民の反発を招いているともいわれる。これは中国国民の食の安全に対してもデメリットが大きい)

 どうも、今の状況を見ていると、毒物の性質であるとか、企業の会見の様子であるとか、ワイドショー的な部分に傾斜していて、政府の動きが見えてこないが、正直大丈夫なのか?と思ったりした。