N響 第2021回 定期公演 Cプロ
2024年10月25日 (金) 開演 7:00pm
NHKホール
曲目
シューベルト/交響曲 第7番 ロ短調 D. 759「未完成」
シューベルト/交響曲 第8番 ハ長調 D. 944「ザ・グレート」
指揮 : ヘルベルト・ブロムシュテット
N響C定期、ブロムシュテットによるシューベルトの「未完成」と「グレイト」を聴く(というより聴けた)。先週同様、コンマスにつかまりながらオケメンバーと共に登場し、チューニングを見守ってから振る。
「未完成」はスケールも大きく、かつ深遠な世界を覗き込むような演奏。残念なのが補聴器が外れていたのかハウリングしていたのか1楽章の大部分で相当程度、響いてしまっていたこと。FM放送するなら2日目の演奏も収録して欲しいと思った。
「グレイト」は個人的なことをいうとブロムシュテットとは相性が良くないのでは?という予断があった。グレイトの名演はフルトヴェングラーしかり、ワルターしかりで方向性としては歌曲王・シューベルトらしい旋律が(熱量の差はあれ)浮かび上がってくる傾向にある。それでいうと、端正かつ純粋な音楽美とでもいうアプローチはヴァントもそうだけれど、ちょっと真面目すぎるかなぁ、と。1楽章冒頭のホルンのユニゾンから繊細に、室内楽的響きで始まる。ただし、そこはN響の充実した響きも相まってアンサンブルの妙を感じる演奏だった。それは第3楽章まで変わらず、である。
ただ、4楽章はスケールが大きく、充実した響きを生んでおり、好みとしてはこの方向性で全曲を聴いてみたかったな、と思う。とはいえ、このアプローチによる最高峰的な演奏だった。
