あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

悪い方に作用する。

 今日は久しぶりに研究会に出た。仕事をするとなかなか勉強する機会がなくなるけど、こういう機会にしっかり勉強しよう。
 今回の報告は幕末期の対朝鮮外交を思想的にも検討した、非常に刺激的な話だった。日本と李氏朝鮮との関係は征韓論以降に悪化したワケではなく、対馬宗氏を間に挟みながら、それぞれの思惑によって、幕末期から既にコンフリクトは存在していたというのは、新たな世界が広がるような発見だ。
 なかでも、印象的だったのは、ややもすると「日本は一貫して朝鮮半島を征服しようとする意図があった」みたいな壮大な陰謀史観が日韓どちらにもある。だが、実際には様々な(政治学でいうところの)「アクター」が働いており、不幸にも日韓関係においてはその時々の選択が、ちょうどサイコロの悪い目同士がぶつかり合うような形で歴史を形成してしまった感もある。というようなコメントだった。だから政治的な責任が免れあるという訳じゃないんだけど。
 昨年の地震の時もそうだが、たまたま東北太平洋側に旅行に出かけていてor出張していて、津波に巻き込まれた。という話も(東北にいた友人から)聞かされていたから、偶然がもたらす最悪の結末というのも時としてあるのだなぁ…なんて思ったり。

 ちょうど、井上勝生の『開国と幕末変革』(講談社 日本の歴史 第18巻)を読んでいたから、当時の江戸幕府内部の動きと共に、明治以降に脚色された「弱腰幕府」観から開放されたのは大きいかも。