都響 第746回 定期演奏会Aシリーズ
場所:東京文化会館
指揮:ヤクブ・フルシャ
チェコの俊英フルシャによるマルティヌーとベルリオーズの二つの「幻想」を聴いた。連日の残業で睡眠時間が少なく、マルティヌーは途中で意識が飛んでしまった。悔しいなぁ。
ベルリオーズは遅め・インテンポ基調で聴かせていた。リピートは全て敢行、2楽章のコルネットあり。正しくロマン派の標題音楽という演奏だ。表現にも力業的な力みがあるけれど、この曲にはむしろプラスだ。都響は長年、フルネの薫陶を受けたが、別のベクトルによる演奏で成功した感じだ。
1楽章のうねるような弦、あざとい程のアクセント、4楽章の地獄の淵から這い上がるような金管や打楽器、終楽章の地鳴りのようなトゥッティ。とりわけ4楽章以降は新鮮な発見の連続だ。まさに定期で幻想をやる意味がある、と感じさせる演奏会だった。