あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

高野苺『orange(2)』 (アクションコミックス)

orange(2) (アクションコミックス)

orange(2) (アクションコミックス)

 1巻で始業式に主人公のパートナー、転校生の翔を誘ってしまった(未来からの手紙には誘ってはいけないとあった)という失敗、そして「自分の気持ちを(勇気を持って―管理人注)伝える」という二つのやり直したい後悔(つまりは過去)をやり直せなかったからこそ、逆説的には物語は展開出来る。そんな1巻をうけるカタチで2巻なのだが、それにしては、最初からかなり飛ばしている、と思わせるに充分な展開だ。
 主人公・菜穂が密かに思いを寄せる転校生・翔に対して、話中では悩んだり、とはいえ結構積極的(その後が踏ん切れないのではあるが)なセリフがあったりする。他のマンガだったらこの展開に至るのにもうしばらく掛かるだろう。だが、このマンガの場合、高2からの物語がスタートしている設定もあって、主人公の同性の友人関係が徐々に出来上がるというプロセスが省略され、既に完成されてた上でのSF的な話と恋愛が描かれる(例えば「君に届け」とか)。1巻で早速破れたライバルキャラ(先輩)は清々しい悪役ぶりである。 普通の少女マンガだったら過去に傷があったり、コンプレックスゆえの意地悪な行動になるのだろうけれど、今のところ全く感じられず、きっとどうしようもなく悪いキャラである。近年の少年誌にも余り観られないタイプのキャラクターになるのではないだろうか(笑い)。翔に対する恋心と、自死から救いたいという2つの思いを抱きながら、共通の男友達・須和がイイ活躍をしていた。