あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

シェイクスピア「ヴェローナの二紳士」(蜷川幸雄演出/さいたま芸術劇場)

 シェイクスピア初期の作品らしいが、コミカルなセリフの応酬や長すぎない時間も相俟って、非常に楽しく過ごせた2時間だった。久々に観劇あとに興奮してしまうだけのおもしろさ。席も2列目中央とかなり良く満足。
 高くそびえ立つガラスの壁という斬新なセットに、台車に様々な大道具が運び込まれ、一体は賑やかな市場となったり、また、塔に暮らすシルヴィアの部屋の窓にもなる。saebou先生が指摘するが、この鏡が登場人物の心情を表すメタファーとして使われているとすれば、意味する所は深いよなぁ、と。
 自分なんかは客席を巻き込んだ芝居だったので、首を後ろに向けるのが面倒臭いから鏡に反射して見やすいな、くらいに思っていた(むしろ、もっと芸術劇場の舞台は奥行きを使えば良いと思うのに、と思っていたくらいで)。終盤はやや強引な展開のようにも思うけれど、そのあたりはちょっと消化不良。
 シルヴィアの月川は貫禄すらある安定感。溝端ジュリアも初々しい小娘っぽく、とてもフレッシュだ。郄橋光臣のヴァレンタインが好青年だとすれは、三浦プローティアスは若さゆえの弱さがいやらしさなく演じられていた。そして脇を固めながら伸び伸び演じる横田栄司にまさかの正名僕蔵。河内大和の顔芸!