あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京都交響楽団 第852回 定期演奏会

東京文化会館

指揮/大野和士
メゾソプラノ/リリ・パーシキヴィ
児童合唱/東京少年少女合唱隊
女声合唱/新国立劇場合唱団
マーラー交響曲第3番 ニ短調
 2018年度最初の都響定期はマーラーの3番を音楽監督大野和士の指揮で聴く。このコンビによるマーラーでは一番の出来だったと思う。「知将」とプログラムでも呼ばれているが、確かに内面に深く沈み込むそのスタイルはハマれば感銘を受けるのだけれど、音楽の流れや曲そのものの持っている構造的なエネルギーが削がれる嫌いがある。それで言えば、今回の3番はこの世界に対する(マーラーとしては)肯定的なフィナーレとも相俟って、かなりの親和性を持っていたと思われる。2楽章は大野自身もっとも力を込めていた楽章だけ合って、流れるような音楽の中にも陰影に富み、かつ穏やかな空間があった。
 個人的には独唱のリリ・パーシキヴィがハマっていたと思う。この曲はかく歌われるべし、という自信というか革新的なものが説得力を持っていた。合唱もクセがなくて良い。3番はバーンスタイン(旧録音)やバルビローリなどが個人的な好みなのだけれど、今回の演奏も匹敵しうる感動を得た。良かった!