あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

いつになったら「言論の府」になるのさ?〜守衛長の見た帝国議会

 いやぁ、今日はバイトの最中にグラッときてビックリしました。レストランのキッチンにいる訳なので、震度4の揺れは大変なもんです。パキスタン地震のあとですし、地震大国日本ではいつどこで地震に遭うか分からないとまざまざと思い知らされました。
 地震が起きたらまずは、火を消す!ってことで、大元の「元栓」を瞬時に消してしまいました。おかげで火災はないモノの、一度落とした火をつけるのはなかなか厄介ですが、そんな場合じゃないですもんねぇ。

守衛長の見た帝国議会 (文春新書)

守衛長の見た帝国議会 (文春新書)


 昨日の内容と若干かぶる、国会のお話。とはいっても政治学的なもんじゃなくて、存分に歴史的な話です。
 1889年に大日本帝国憲法が発布され、翌90年に第一帝国議会が開かれます。以降、この国では一世紀以上に渡って議会政治が行われてきました。もっともその逸脱の時期はあったんですが、ともかく、議会制民主主義が始まってから100年というのは民主主義の本場たる西欧・アメリカ諸国を除けば、かなりの長さであることは疑いようがありません。もちろん、アジアの中では間違いなく最も古くから民主主義が導入された国です。
 今現在でも民主主義制度を導入したばかりの国では、本来の意図通りに機能しているかといえば必ずしもそうではないのは周知のことでしょう。しかし、日本においても、その初期においては、議会制民主主義そのものが定着しておらず、いろいろな事件が起こったようです。
 そんな事件を帝国議会(現在の国会)を警護する守衛長が記録を残した報告書から、面白い記事をピックアップしたのが本書です。

 とりわけ明治期はいろいろですね。会議中の議場に傍聴人が「馬糞」を投げ込む、なんていうのはまさにお笑い話ですが、当時はそんなことすらあったというのですから、時代の変化というのは大したモノだと思います。
 他にも、殴打事件が頻発してます。今でも台湾議会では乱闘騒ぎの映像が放送されてますが(真偽のほどはともかく)、日本もかつてはそうしたことが結構起こっていたんだと思うと、議場での乱闘というのは、成熟した議会制民主主義になるためには通過しなければならない自体なのかもしれません(←ホンマかい?)。

 本書の構成はそうした感じで、帝国議会開設の明治期から終戦までの裏政治史といった様相を見せています。日本政治史をかじっているか、あるいは高校までの日本史をかなり詳しくやったヒトなら、よく分かっている事件が多いんですが、その裏側で意外なことがおこっていた、とか分かります。
 個人的には、ある程度、近代史が分かっていたヒトの方が面白く読める本でしょう。