あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

自民党結党50周年〜非政党としての自民党

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051122-00000017-maip-pol

 自民党の結党50周年大会。1955年以降、ほぼ一貫して日本の政権与党であった自民党は世界的に見ても極めて稀な政党である。
 普通、こんなに一つの政党が政権の座に居続けることなど、公正な選挙が実施されている国であれば考えられない事だという。ここに目をつけたサルトーリが日本のような政党体制を一党優位体制と分類したのは、確かにそうだなと思う。
 とはいえ、北欧諸国も、たとえばスウェーデンなんかは社民党が40年程、与党を占めているから、「日本のみ」という訳ではなさそうだ。一党優位体制になると言うことは、そうした政治文化があるとも考えられる。


 自民党がかくも長期にわたって、政権与党でいたのは自民党がある意味政党らしからぬ要素を持つからだ、と指摘するのは立法過程・日本政治論の岩井奉信教授。言われてみればその通りで、保守政党は組織よりも議員個人にウェイトが高いため、ある種「ヌエ」のようなしぶとさを誇る。
 つまり、組織政党(たとえばかつての社会党)は時代の経過と共に社会構造が変化して、政党の存立基盤が成立しなくなることがしばしばある。この時、組織の性として柔軟に対応するのは難しい。とくに、社会党の場合はイデオロギー政党の側面もあったから尚更である。(この辺りはもっと詳しく考察したい)
 その点、自民党は議員一人ひとりが後援会という支援組織を持っているので、組織としての疲労が起こりにくいのである。なぜなら、社会構造の変化があったとしても、議員は個別の支援者との言わば臍帯的関係によって成り立っている訳なので、時代の変化に応じて、その関係を再生産できるのである。

 ただ、小泉が総裁に就任後、この自民党の性質に変化が生じており、自民党も組織政党的な要素が強くなってきているのは確かである。
 すると、いままで50年間にわたって自民党の強さの源泉であった議員個人の後援会から党組織主導の政党になることによって自民党の「ヌエ」的強さはもしかすると、長期的には弱くなる可能性があると思う。
 ただ、保守主義思想というのは何らかの教義があるわけでナイので、今後も名望家政党の特徴というのは内在し続けるだろう。

自民党と戦後―政権党の50年

自民党と戦後―政権党の50年

結党当初から現在までの自民党の様子が分かる本。ほとんど、新聞の特集のレベルだから非常に易しい。むしろ、研究するには物足りないが、日本の戦後政党史に疎いヒトには入門レベルになりそう。