あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

そんなに欲しいか票と金〜造反組復党雑感


 郵政民営化法案に反対し、自民党から公認が貰えなかったいわゆる「郵政造反組」がやっぱり自民党に戻るらしい。↓は毎日新聞のソース。
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061128k0000m010112000c.html


 「自民党をぶっ壊す」と勇んで自民党総裁に着いた小泉(元総裁)だったが、安倍総裁へと変わった途端にこの態である。

 去年9月の「郵政選挙」はいったい何だったのか?
 郵政民営化の問題は、単なる「郵政民営化」などではなくて、あくまでも小泉内閣が掲げる「構造改革」の一環であり、ゆえにそれに抵抗する議員を「古い自民党」と形容し、理屈(=筋)の通った政治をしようと選挙で有権者に訴えたモノだったはずだ。
 有権者はそれを信じて、つまり、古い自民党をぶっ壊し、日本再生のために新しい政治のあり方を求め、自民党に投票した結果、自民党の歴史的対象につながったのではないのか?(もっとも管理人としては、そうした方向性が必ずしも日本の再生につながるとは考えていないのだけれど…)
 それが、1年2ヶ月ですでに反古にされてしまっている。これ程までに有権者をバカにした話はないだろう。

 これでは、郵政解散は全くの茶番であり、その茶番にまんまと有権者は騙されたと言うことになるのではないか。結局、「古い自民党をぶっ壊す」といいながら、自民党の体質はちっとも「ぶっ壊れていなかった」ということになる。小泉というラベルがはがれた途端、その中身は相も変わらず旧態とした「票と金」の利権構造というわけだ。


 つまり、自民党にしてみれば、郵政民営化に反対した「造反組」に対しては、その選挙区に「刺客」を送りこんでまで徹底して潰そうとした相手である。しかし、それでも郵政造反組の12人は刺客を返り討ちにしてきた、いわば猛者どもである。
 この猛者どものもつ、強固な支援組織の支持を来年夏の参議院選挙で得たい。極端な話が造反組の持つ「固定票」の獲得である。

 また、造反組にしても自民党を離党して、無所属になってしまうと、地元の政財界からは「ただの人」に映ってしまう。亀井静香の名が新聞に載る回数がめっきり減ったのも、国民新党という政党を立ち上げたモノの、結局のところ政権に関与できない「野党」の議員だからに過ぎない。
 ピンとこないかもしれないが、政権の座につく(=与党である)ことは非常に重要である。最初から(恐らく最後まで)野党であるような共産党であればそれは構わないのだろう。しかし、「最初から与党」しか経験したことのない、自民党造反組の面々は、自分が自民党から離れたことによる、政治資金と地元政財界への影響力の明らかな低下を実感するに違いない。
 そーなると、いままで地元の経済界から集まっていた「カネ」が集まらなくなってくる。しかも、自民党本部から提供されるカネも当然支給されない。野党議員のように最初から「ゼロからのスタート」だったらやっていけても、最初から「リッチからのスタート」である自民党議員には耐えられないのだ。
 結局、自民党に戻ることによって回復される権力やカネというものがいかに彼らにとって重要かと言うことが分かるだろう。言い換えれば、彼らにとっては政治信条なんかよりもカネの方が重要だと言うことになる。


 いずれにしても、来年の夏の参議院選挙までに、有権者はこのことを忘れているだろう、とタカをくくっているに違いない。そして、おそらく有権者はこのことを忘れるだろうと管理人自身は個人的に思う。
 やれやれ…。


 どーでも良いことだけど、そんな中で平沼赳夫は復党願いは出したものの「誓約書」については出さなかったらしい。平沼自身は政治信条から誓約書にサインできないと言っていた。管理人は平沼の政治信条はまったく相容れないけれど、今回示した姿勢は評価できると思った。