あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京都交響楽団 第652回定期演奏会 

2007年11月28日(水)19:00開演 東京文化会館

指揮:ジェイムズ・デプリースト
メゾソプラノ:竹本節子
合唱:二期会合唱団

曲目
スクリャービン:夢想op.24 
モーツァルト交響曲第38番ニ長調プラハ』K.504
プロコフィエフカンタータアレクサンドル・ネフスキー』op.78


 定期演奏会はサッカーなんかの年間チケットと同じで、1年分の公演の座席が確保されてしまうので、ありがたい反面、気忙しくなっているときはなかなか辛いものがある(苦笑)。
 でも、毎日論文ばっかりで「追われている感」が強いのでたまにはこーいう息抜きをするのは良いのかもしれません。その方が効率が上がるかもしれないしね。

 今回は平日ど真ん中で、特に好きな人じゃないと聴きに来そうもないプログラムにも関わらず、7割以上の客入りでした。
 なかなか同世代のヒトは見かけませんねぇ。定期演奏会ともなるとなおさらかな。(N響定期なんて高齢化していると言うし…)

 さて、スクリャービンですが5分足らずの短い曲です。「法悦の詩」とかイメージしてしまうけれど、パンフの解説にもあったように、神秘主義に行く以前のロマン的な曲です。
 夢想というタイトルのように、編成は大きいものの、とても儚げな、派手さのない曲。

 続くモーツァルトプラハ」でのデプリーストのアプローチはきわめてオーソドックス。没個性的というか、中庸というか。ピリオド奏法が盛んな昨今にあって、言い方が悪ければ「時代遅れな」演奏です。それゆえに安定感があるといえば、その通りなんですけどね。CDで聴く緊張感のあるベームの演奏みたいな。(ただ、壮年期のベームみたいな凝縮感はないけれど…)
 座っている席からだとよく見えないんですが、10-8-6-6-4の編成なのかな。あの手の演奏だと、別段もっと大きな編成でも良さそうな気がするのですが。
 後半はプロコフィエフの「アレクサンドル・ネフスキー」。
 昨年の「イワン雷帝」に続く、エイゼンシュタインの同名映画の映画音楽をコンサート用に再編成したもの、といえば分かりやすいでしょうか。

 演奏頻度の低い曲だけに、なかなか期待大。そして、その期待に応える演奏でした。
 ロシア的な線の太さは強調されず、その曲にある構成感や暖かみのある響きといったものを大切にした演奏です。
 二期会合唱団も大健闘。ロシア語、ラテン語の合唱(らしい)なのに よく歌ってます。それでもって、この曲のイメージするところに共感を持って歌ってくれているから、とてもよく盛り上がっていて好い。
 今回も舞台の両サイドに字幕がついてくれたおかげで、視線が舞台を向いたまま音楽が聴けたことも、高ポイント。
 前回同様に、合唱の素晴らしさを実感させる演奏会でした。

モーツァルト : 交響曲第38番「プラハ」&第40番

モーツァルト : 交響曲第38番「プラハ」&第40番

モーツァルト:交響曲第38番&第40番

モーツァルト:交響曲第38番&第40番

モーツァルト:後期6大交響曲集

モーツァルト:後期6大交響曲集

この曲だと、このあたりが個人的にオススメです。
特にブリテンモーツァルトなんか純音楽的に響いていて、管理人の想像するモーツァルト像に近い。
カザルスはこの中では一番個性的かも。
プロコフィエフ:カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」

プロコフィエフ:カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」

アレクサンドル・ネフスキーゲルギエフ盤しか聴いたことないけれど、他はどーなんでしょ?
第4曲、第5曲の激しさとか凄くて、コレで満足してしまっているのですが…。

拍手はする?orしない?

 第六幕に移行するときに、独唱のメゾソプラノ歌手が入ってきた。
 そのときに拍手をするヒトがまばらにいたけど、客席にいた一人が静かにするように「しーっ」って言ってた(←コレなんて言うかよくわからんのだけど)。
 管理人も各楽章間の拍手はしないヒトなんですが、こーいうとき、どーするもんなんでしょうね?(知っていればぜひ、ご教授ください)

デプ氏、大丈夫か?

 今回、前プロのモーツァルトが終わった後、デプさん振り返らず、袖に戻ることもせず、カーテンコールに応えていたけど、どーしたんでしょ?
 しかも、休憩時間中、指揮台に居たままだったし。
 都響スタッフのヒト曰く、あんなコトは初めてだとか。
 しかも、リハーサル(ゲネプロだったかな?)1回だったとか言うし。体調が悪いのでは?みたいな話をしていた。
 内部事情は分からないけど、デプさんの常任の任期が今年度いっぱいなのも、体調のせいだという話も聞くし(ホントか分からないけど)。なにより、今回、のだめコンサートからプロムナードコンサート、作曲者の肖像、そして定期演奏会と4つのプログラム(演奏会自体は5回)をこなしていたことを考えれば、当人の肉体的負担はかなりのものだともいえるし。
 来期のインバルは実際「名前だけ」の側面が強い(首席のクセしてA定期なんて1回しか振らない)。プログラムを組むにせよ、来期以降の都響はハッキリ言って正念場だと思う。どーする、経営陣?