東京都交響楽団 第694回定期演奏会
東京都交響楽団 第694回定期演奏会 Aシリーズ(3/25)
会場:東京文化会館
指揮:エリアフ・インバル
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調(ノヴァーク/第1稿・1887年版)
旅行前日に聴きに行ったコンサートは2009年度最後の都響定期演奏会になった。インバル&ブルックナーの第二弾ということで、第8番を採り上げている。
しかしながら、今回はホントに珍しく「第1稿」だった。
結果からいえば、都響は大熱演。特に4楽章あたりでヴァイオリンがちょっとバテてたなぁ…という印象を受けるくらいだもん。
とはいえ、個人的な感想になってしまうが、第1稿って、正直不出来だなぁ、と改めて思った次第。曲の最中にギアチェンジしまくり、曲想ブツ切り感が満載だった。もっとも、インバルの演奏には、そうした傾向が結構強いから、第1稿を別の指揮者が振ればまた印象派違ったかもしれない。
ただし、全般的なハナシとして、ブルックナー初期の作品群にある上述した傾向が、この第1稿にもあったということだ。たとえば、7番に見られるような、構成美や曲の自然な流れというモノは少なくとも第1稿を聴く限り、あまり感じられない。
確かにコレ(第1稿)が初演を拒否され、失意のブルックナーは改訂しまくりで第2稿を完成し、そのお陰もあって演奏会成功…、という音楽史の説明は納得できてしまう。批判を受けての改訂作業はすごーく推敲しまくったんだろうなぁ…と思えてしまう。それくらいの曲だった。
逆説的になるが、第1稿の初演を拒否されたがゆえに、ここまで立派な曲になったと思えば、拒否したレヴィは偉いというか、クラシック界における恩人だろう(笑い)。
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