あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

政治とカネ―海部俊樹回顧録 (新潮新書)

4月から劇的に環境が変わったので、ちょっとご無沙汰である。職場が今までの3倍時間がかかる(苦笑)。

そして若干、ノロウィルス気味だったのもそれに拍車をかけている。
さて、今日は感想でお茶を濁してしまおう。

政治とカネ―海部俊樹回顧録 (新潮新書)

政治とカネ―海部俊樹回顧録 (新潮新書)

ご存じの通り、著者の海部俊樹は第76代内閣総理大臣かつ議員在職49年という人物である。
 その海部による回顧録が本書だ。とはいえ、「オーラルヒストリー」のように日本政治史の研究者が丹念に資料にあたりながら、時には本人にとって厳しい(解答に難しい)ような質問をする話し手に欠いているため、「回顧談」くらいに思った方がちょうど良い。内容もそのくらいの薄さである。
 そのハナシでいくと、チャーチル回顧録とか、自身の日記なんかを参照にしながら良く書いているよなー、と政治文化の違いを感じざるを得ない。

 クリーンを売りにした三木武夫も金をばらまいていたことや、当時の自民党では派閥の力学が大きく、総理であっても逆らえなかったことなどが綴らる、自民党政局史とでも言うべきだろうか。ただ、一読して、管理人には海部俊樹という人物には総理としてふさわしい理念や胆力が著者には不足するように思えた。
 本人は政治改革に心血を注いでいたが、結局「古い自民党政治のしきたり」でその改革は断念せざるを得ない。それが海部内閣の総辞職へとつながるのである。ただ、それが「政治改革」であれば、やはりやらなければならなかったのだ。そしてその「改革を阻むモノ」が「それまでの自民党政治」であるなら、尚更である。

 タイトルに近いトコロでは、当時の自民党総裁選で、カネを使うことを「政策を通すための潤滑油、必要悪」と考えられていたこと。派閥のトップではないが、選挙時には派内の後輩議員に500万円、盆暮れには200万円、派内議員のパーティーの祝儀に10〜100万円を配ったこと。審議拒否をする野党に国会に出るように金を配ったこと。などが書かれる。
 ところで、海部は文教族にも関わらず本書から伺える彼の教育観や国家間は貧困である。それは一体どういうことなのか、最後まで読んでも分からなかった。