臓器は「商品」か
- 作者: 出口顕
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/04
- メディア: 新書
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また、そうした臓器移植が可能になるのはそこに「同質性」が前提とされた「想像の共同体」が存在しているというB.アンダーソンの議論を参照にした考察もある(しかし、文化人類学的研究から必ずしもそれだけではない可能性をも示している)。最終章では日欧でで違いが際立っているような臓器移植をめぐる議論が、実はそれほど違いがないことなどを提示していて興味深い。本書は長らく絶版であるが、臓器移植の問題を哲学的な視点から考察した、非常に刺激的な一冊である。