あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

金融緩和の罠

金融緩和の罠 (集英社新書)

金融緩和の罠 (集英社新書)

リフレーション政策に対して批判的な3人の経済プロパーを相手に、気鋭の政治学者がその疑問をぶつけていく、対話集である。とはいえ批判のための批判ではなく、三者ともにリフレ政策では本当の意味で景気回復、経済成長は望めないという立場である。理由は大きく二つあり、一つは今のデフレは人口構造の変化による需要不足にあること、もう一つは社会が成熟し消費財の購入が控えられている時代であることを挙げている。特に後者はかつて政治学からもイングルハートらの著書で言われてきたことだが、今回、それを経済的なデータを示しながら説明しているのが面白かった。総じて、これはリフレ政策を巡る、経済思想の考え方の違いであろう。それはそれで筋が通っているハナシなので、アベノミクスに懐疑的なモノとして読むと良い。