リフレーション政策に対して批判的な3人の経済プロパーを相手に、気鋭の
政治学者がその疑問をぶつけていく、対話集である。とはいえ批判のための批判ではなく、
三者ともにリフレ政策では本当の意味で景気回復、経済成長は望めないという立場である。理由は大きく二つあり、一つは今のデフレは人口構造の変化による需要不足にあること、もう一つは社会が成熟し
消費財の購入が控えられている時代であることを挙げている。特に後者はかつて
政治学からもイングルハートらの著書で言われてきたことだが、今回、それを経済的なデータを示しながら説明しているのが面白かった。総じて、これはリフレ政策を巡る、経済思想の考え方の違いであろう。それはそれで筋が通っているハナシなので、
アベノミクスに懐疑的なモノとして読むと良い。