あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京都交響楽団 第775回 定期演奏会

指揮/小泉和裕
ヴィオラ/鈴木 学(ソロ首席奏者)

エロード:ヴィオラ協奏曲 op.30
ブルックナー交響曲第2番 ハ短調(ノヴァーク:1877)

 都響ブルックナーの2番を取り上げるのはここ10年で3回目くらいになるだろうか。
 デプリースト、インバルそして今回の小泉である。

 エロードのヴィオラ協奏曲は調性はあるし、旋律もきれいなんだけれど、ヴィオラの見せ場はあるもののオケの部分を通した盛り上がりに欠けるというか、愉しく聴ける曲ではないような印象を受けた。もちろん、だからといってダメというわけではない。シューベルトソナタとか聴くのと同じようなテンションというか体調なら良いなと思えるだろう。
 あとは、この曲が繰り返し演奏されないから、小泉自身も消化不良なんじゃないだろうか。まあ、要するに自分じゃ理解するのに回数が足りていないので他の奏者の演奏をもっと聴いてみたいと思っただけなんだけれど。

 ブルックナーの2番はキビキビとした演奏。それにしても東京芸術劇場は音が豊かに聞こえるホールだなぁ・・・と改めて感じる。毎回書いているけれど、今まではこんなに響かなかったんじゃないか。小泉のアプローチは奇を衒うことなくまったくのオーソドックスなもの。ブルックナーとしては、もっと内声部分を響かせて欲しかった。弦は都響だし、芸術劇場だし、とんでもなく美しいのだけれど、オルガン的な厚みが足りていなかったと思う。文化会館だとまた違った印象を受けたのかもしれない。
 あと、個人的には、ブルックナーの2番は朝比奈隆がいうところの「あまりdankbarな作品ではない」なぁ、とも思った。もちろん、同時期の交響曲と比べればずっと良いのだけれど、3番以降と比べるとまだまだ発展する予感のする作品だ。1、2楽章は愉しいけれど、我々は後期の作品群を知っているので、尚更なのかもしれない。