あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

【メモ】国際関係とミサイル・前編。

 考えをまとめるために、書き出しながら考えてみる。一種のメモ。

 国際政治学国際経済学を扱う学部に「国際関係学部」なんてモノがよく設けられている。
 この表現は言い得て妙で、あくまでも世界の動きというのは「国と国との関係」によってしか説明を付けることが出来ない。つまり、私設武装集団ソレスタルビーイングなんてものはガンダム00の中の話であり、現実に世界の動きに影響を及ぼすのは、「国家」だけである、と定義して差し支えないだろう。
 (近年は多国籍企業NGOがあるので、国家オンリーってワケじゃないんだけど)

 ここで、僕らは「国際関係」と「国内政治」とが似て非なるモノだと言うことを認識しなければならない。

 分かりやすくするために具体例を挙げてみる。

 自分がアパートに住んでいると仮定して、そのアパートの隣人がなんだか得体の知れない人物で、時折、夜中に大きなわめき声を上げて迷惑している。と仮定する。
 これが国内政治であれば、とるべき手段は結構ある。
 1つめは、別のアパートに引っ越す、ということ。
 2つめは、直接、話し合って迷惑しているという申し入れをする。
 3つめは、管理人や大家さんに話を付けて、この隣人に静かにしてもらう。
 4つめは、司法によって強制的に解決してもらう。
ということだ。

 しかし、この1−4というのが通用するためには、あくまでも社会通念をある程度同じくする(=同じような一般常識を持ち合わせている)か、最終手段として国家権力が強制的に紛争の解決に乗り出す、ような状態でなければならない。
 そう、つまり、国内政治であれば「近所でも有名な犯罪者が包丁持って歩いてたら」国家権力が自動的に発動する余地があるというわけだね。従って、治安は保たれると言うことだ。

 しかし、残念ながら、国際関係ではそーいうわけにはいかない。

 というのも、国内政治であれば「強制力」(これは「権力」と置き換えてもちろんOK)を持つ「国家」が存在するけど、国際関係においては、国家間同士の紛争を解決するだけの強制力を持った「世界政府」というものは存在しない。そーいうのが存在するのはもちろん、ワンピースの中だけなのである。だからルフィはロビンの奪還にあれだけ苦労することになる。
 政府がない以上、世界警察も存在しないし、そうした違反者(そもそも国際的に統一された刑法などもない。国際法は国内法と全く同じようなモノではない。残念ながら)を収容する施設も存在しないのだ。

 このことを「万人の万人に対する闘争状態」と定義したイギリスの思想家Th.ホッブズの説を応用して、「ホッブズ自然状態のヒューマンアナロジー」と呼ぶ。つまり、世界政府が存在しない国際関係では、国家が自分の国の目的を実現する(このことを通常「国益」と呼ぶ。ただし、「何が国益か」については全ての国において同じではない)ためには、相手国へ影響力を行使する、その影響力を増強することが望まれる。

 このときの影響力として通常考えられるのは
 1つ目として国土面積(延長線上に位置というのも存在する。交通の要所とか、ね)
 2つ目として資源
 3つ目として人口
 4つ目として経済力
 5つ目として軍事力
 等が挙げられる。(もちろん、ここで挙げた順番に優先関係はない。)

 だから、資源が少なく、9条による軍事力の行使が抑制されている日本がそれでも国際社会で一定の影響力を行使している背景には、上記で挙げたうちの「経済力」がバックについているから、と理解できるハズだ。

 そうなると、国際関係上、ミサイル発射はあくまでも目的達成のための手段と言うことになる。
 その目的ってどこにあるんだよ、って話になるんだけど。