あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

都民芸術フェスティバル2024 東京シティフィル公演

指揮/高関 健

ピアノ/小山実稚恵
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466
ベルリオーズ幻想交響曲 作品14

都民芸術フェスティバルのラストはシティpo.&高関健、そしてピアノに小山実稚恵という質実剛健な組み合わせでモーツァルトの協奏曲20番、ベルリオーズの幻想である。
ほぼ、成功が確約されたプログラムだ。

モーツァルトの伴奏はとても真面目。
「悲しさは疾走する」感じではない。そして小山氏のピアノも硬質な鉛筆でしっかりと書いている楷書体の演奏という感じ。彼女のピアノ協奏曲というのも結構珍しいのでは?下手に感情に流されない分、曲の構成がハッキリと聴き取れる。アンコールはショパンノクターン
ゆうめい!今日の聴衆的にはバンザイだと思う。ときどき聞くといい曲だなー、と。
後半のベルリオーズは感情爆発系ではなく、爪の先まで高関氏の意思が貫徹している演奏。方向としてはクレンペラーのCDに近い。テンポは2楽章まで溌剌だ。

2楽章まではハープが指揮台の前に置いてあって、さながらソリストである。3楽章は木管群が総じて素晴らしいソロを披露している。こんなにシティ・フィル上手かったか!?(←失礼)と感嘆。
4楽章以下はどっしり構えて微動だにしないスケール感と弦も管もバスを効かせて、かつ、管楽器の旋律が立体的に聴こえるように処理されているので、聴いていてハッとする瞬間が多々あった。そして「ここぞ」というところでのダイナミズムがハマっているので極めて聞きごたえがある演奏だ。個人的には去年のロトやデュトワが好みだが、今日はベクトルが違えど完成度の高い演奏であったのは間違いない。音源があったら聞き返したいくらいだった。それほどに個性的な演奏。
やっぱり、指揮者だな、と今回の芸術フェスティバルを聞いていて認識を新たにした次第。(もっとも、誰もが若手の時期はあるし、経験は必要)