あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

世界報道写真展2010

 人がいくら言葉を紡いでも、日常生活に追われる人々には、大した関心もなく、素通りされるか、あるいは意図的に無視される。そこに言葉が届かない。
 だけど、Seeing is believing(百聞は一見にしかず)ではないが、写真というのは時に、相手に対して有無を言わさぬインパクトを与えることが出来る。

 日曜だったので、世界報道写真展2010@東京都写真美術館に出かけてきた。
 (2010年6月12日 ( 土 ) 〜 8月8日 ( 日 )まで開催 )

 HPによれば、この写真展は、2009年の1年間に撮影された報道写真を対象にコンテストを開催し、その入賞作品で構成される写真展を世界各地へ巡回しているものだという。

 128カ国から5,847人が応募し、世界最大級のコンテストだそうだ。

 今年の大賞は「テヘランの建物の屋上からイランの現体制への抗議の言葉を叫ぶ女性」という、イラン大統領選挙に対して、夜、「独裁者に死を」、「アラー・アクバル」という声がテヘラン中に響き渡るという場面。「闇と静謐が支配する住宅街から、住民の深い失望感と怒りが伝わる優れた報道写真といえるでしょう。」という解説が付されているけれど、まさにその通りだ。

 実は一番ショックだったのは、パレスチナの紛争を写した写真だった。イスラエル軍パレスチナ住民のあまり被非対称な戦いに、やっぱりこれは「しらなくちゃいけない」コトなんだろうなぁ…と思ったり。

 世界では多くの地域で今でも紛争が続いている。それを文字情報として知ることも大事なことなのだが、その瞬間を捉えた写真の力は本当にすごい。

 とはいえ、俺たち見られねえよ、という方のために、
http://www.syabi.com/contents/exhibition/index-82.html
http://www.asahi.com/event/wpph/
 美術館及びに朝日新聞の公式HPで多少、見ることが出来る。

 また、展示されてある写真のうちいくつかは、フォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」5月号と6月号にも掲載されているので、書店や図書館でドーゾ。

DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2010年 05月号 [雑誌]

DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2010年 05月号 [雑誌]

 「DAYS JAPAN 5月号」のケニアの干魃により、川が干上がり、干上がった川の中で息絶えたキリン。
DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2010年 06月号 [雑誌]

DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2010年 06月号 [雑誌]

 「DAYS JAPAN 6月号」でアフガニスタンに派遣されたアメリカ軍が、休息中に応戦する様子。(だから左の兵士はパンツ姿で銃を構えている)
World Press Photo 10

World Press Photo 10

 最後は、この展覧会の図録。この表紙の写真が大賞受賞作品。イランのアフマディネジャド政権に抗議している女性。(女性がこういうカタチで政治に抗議することが、現在のイランではなかなか難しい)