あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

TBSK管弦楽団 第八回定期演奏会

バレエ組曲「アパラチアの春」/コープランド
バレエ音楽「四季」/グラズノフ
バレエ音楽春の祭典」/ストラヴィンスキー

 知り合いの子(歳の離れた友人と言うべきか) TBSK管弦楽団定期演奏会を聴きにMUZA川崎シンフォニーホールまで出かける。バレエ音楽と言うことで、コープランド「アパラチアの春」、グラズノフ「四季」、ストラヴィンスキー春の祭典」という意欲的なプログラムだ。会場がミューザ川崎ということもあってアマオケとは思えない豊穣な響きだ。そりゃ、もちろん、ところどころ弱さは感じるがマスになったときのエネルギーはお見事! アパラチアの春は聴きながら大草原の小さな家というか、赤毛のアンというか、そんな情景が浮かんでくるような曲。
 コープランドは分かりやすいし、もっとプロオケも定演でかけると良いのだがあんまり聴かない(2014年11月に都響定期で聴いた)。グラズノフの「四季」は実演では初めて。もっと濃厚なのかとおもったけれど、そこは解釈なのか?スヴェトラーノフとかだとどうするのかな?なんて思いながら聴いていた。
 春の祭典は100人以上が舞台に並んでいる(だろう)壮観な演奏だ。コンバスだけで10人以上立っている。団員全員が出る曲を選んだんじゃないだろうかと思うくらいだ。あとはR.シュトラウスくらいか?(このオケならアルペンを聴いてみたい)。冒頭のファゴットが決まった!木管が総じて上手い。これだけの迫力でハルサイをやると、その前衛性と当時はさぞスキャンダラスだったのだろうと思わせる(初演者がモントゥーと言う意外性)。テンションも高く、指揮者は変拍子が多いのに的確に指示を出し、オケもしっかり付いてきて、鳴りきるのがスゴい。ホールの響きと相俟って大興奮だ。
 そして、まさかのアンコール曲が「火の鳥」、カスチェイ王の魔の踊りから終曲まで。すでにアンコールピースではない(笑い)。この人数で火の鳥を聴いてみたかったから楽しかった。きっと勢いでやろうという話だったのだろうが、火の鳥にハルサイは粉砕されてしまったかも。スゴかったけどね。

都響プロムナードコンサート@サントリーホール

指揮/準・メルクル
チェロ/エドガー・モロー

メンデルスゾーン
序曲《フィンガルの洞窟》
ドヴォルザーク
チェロ協奏曲 ロ短調
シューマン
交響曲第3番 変ホ長調《ライン》

 今日は都響のプロムナードコンサートに行ってきた。1週間で2回もサントリーに行くのは学生以来だけれど、昼は天気にも恵まれてアークヒルズの市場も賑わっていて楽しい雰囲気だった。今回は準・メルクルが都響初登場! 最近の都響、一体どうしたという指揮者ラインナップ。
 チェロは新鋭のエドガー・モロー。フィンガルの洞窟から、模範的というか良く響き、良くまとまり、しっかりとした構成の音楽だ。ドヴォルザークはモローの安定しつつも伸びやかなチェロが気持ちいい。シューマンのラインも模範的。飛び出す個性と言うよりも、手堅くまとめる手腕は見事。
 職人タイプに見えないのだけれど、職人なのかな。初対面だからだろうか、都響ならもっと底力があると思うのだけれど、インバルや最近の大野のような迫力と言うよりは無難なまとまりというような印象だった。(別に貶めているわけではナイのだが) きっと、何回か共演して、都響の個性をつかんでいくようになるともっと引き出せるような気がする。一番印象的だったのは響かせ方の上手さというのだろうか。濁らず、かといって安全運転というわけでも無く、手綱捌きが見事。ともあれ、これからも常連になるのかな?
 大野、小泉、インバルにギルバート。そこに客演常連でカエターニが加わって、個人的にはルスティオーニにもポストがあるとイタリア系の華やかさも加わる。大野は複数回振るから、これで埋まってしまうぞ? と、そんな贅沢な悩み。(来シーズン、インバル少ないし)

札幌交響楽団 東京公演

指揮 マックス・ポンマー(札響首席指揮者)

ベートーヴェン
交響曲第6番 ヘ長調 「田園」
交響曲第5番 ハ短調 「運命」


 札幌交響楽団東京公演終了@サントリーホール。ポンマー指揮でベートーヴェンの田園と運命という名曲すぎて最近、実演で聴かない曲だ。
 札響を実演では初めて聴いたけれど、ハイウェストな響きをするオケだな、なんて思った。普段聴かない響きで面白い。
 都響だと弦はむろん美しいがもっとバスが効いていたり、新日フィルだともっと響きは暖色系だ。札響のそれは重心高めで透明感がある響き。本拠地キタラで聴いたらさぞ美しいのだろう。
 そんな響きだから田園の1楽章は伸びやかさがイマイチでもっと厚みのある響きが欲しいと思った。けれど2楽章は出色の出来だ。まさに純音楽!この楽章がこんなにも素晴らしいなんて! 続く4楽章も疾風起こる嵐の世界。田園交響曲は本当に感動的だ。
 5番は(6番もだが)快調なテンポでグイグイ進む。でもポンマーの良いところはスケールが小さくなったり響きが薄くならないところ。4楽章の弦の鋭いボウイングとダイナミズムは迫力満点だ。底力で言ったらN響都響だと思うが、気迫で圧倒している。東京公演だからか、凄まじいテンションだ。
 ホールが徐々に熱気を帯びているのがよく分かる。そしてそんななかでもこの曲をオケは文字通り「play」している。非常に良い演奏だ。
 アンコールはバッハのいわゆる「G線上のアリア」全てが王道。しかしそれを演奏しきれる指揮者がどれだけいるか?札響&ポンマーは見事に成し遂げた。
 札響は良いオケだとつくづく思った。これなら札幌にも住めるなぁ(転勤の予定は全くないけど)。帰りにお土産があった。ホクレンからポップコーン(調理前のやつ)と豆ご飯の素だ。こう言うのも地方オケらしくて面白い。CDとカレンダーを応援のため購入。暖かな気持ちになれる良いコンサートだった。