あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

津波防災を考える 「稲むらの火」が語るもの (岩波ブックレット)

津波防災を考える 「稲むらの火」が語るもの (岩波ブックレット)

津波防災を考える 「稲むらの火」が語るもの (岩波ブックレット)

 4月に地元の本屋(須○屋)に行った際に特設コーナーがあったので、手頃なブックレットを数冊購入。バイトばかりが目立つなか、ここの本屋はちゃんと店員(社員?)が居るので時宜に適ったコーナーを作っている。
 図書館司書もそうだけれど、そういう姿勢というか意気込みは買い手(図書館の場合は利用者)の知的好奇心を刺激するからとても良いと思う。

 さて、「天災は忘れた頃にやってくる」とはよく言ったもので、周期的には起こるものの、数世代経ってしまうと、被害の記憶が風化するのが大災害だ。
 今回の東日本大震災では、津波に対して「稲むらの火」のような訓話によって津波の記憶を共有化することが必要である。(ただし、本書ではきちんと『稲むらの火』の間違いも指摘されている。それは「津波は必ずしも引き潮から始まるとは限らない」ということだ)

 後半は津波のメカニズムについて、オーソドックスな説明がされる。海底プレートの水平方向のズレだと津波は小さいが、上下方向へのズレは巨大な津波を生む。また、地震によって開閉式水門が機能しなくなるケースなど、ソフト・ハード両面の津波対策を指摘している。今回の東日本大震災では津波被害の大きさが情報メディアによって記憶された。これをどう活かすのかが問われるのだろう。