あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

都響 第963回定期演奏会

第963回定期演奏会Aシリーズ

指揮/エリアフ・インバル
ピアノ/マルティン・ヘルムヒェン

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 op.73 《皇帝》    
フランク:交響曲 ニ短調

 

 都響定期演奏会Aシリーズ(東京文化会館・上野)を聴く。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番をマルティン・ヘルムヒェンのピアノで。後半はフランクの交響曲。指揮は桂冠指揮者のインバルである。
 文化会館での「皇帝」は多分、2008年11月のリントゥ指揮、中村紘子以来だと思う。ドイツの中堅ピアニストヘルムヒェンがなんとも鮮烈な演奏だった。すっきり爽やかでいながら抒情的。そしてしなやかな力強さがあるピアノである(もっとも、文化会館の広さからすると小さかったという声もあるようだけれど、自分は前列中央だったので申し分なく堪能できた)。現在40歳のようだから脂が乗りまくっている。実演で聴く同曲の演奏の中でも十分に往年の名ピアニストと渡り合うくらいの演奏だった。

 インバルのエッジの効いた伴奏(マーラー指揮者からアプローチした、でも新古典主義的にスッキリしたアプローチ)も面白く協奏であり競争とも感じ取れる演奏。オケパートがここまでしっかり鳴るのは珍しい。アンコールはシューマン

 後半のフランクも近年では珍しい。リハではフレンチ!とインバルは言ったとか。でも個人的にはベートーヴェンの後継者としてのフランクの交響曲と位置づけたんじゃないかなぁ。特に、コンバスの質感を伴った響き。そしてイングリッシュホルンが決まっている。スゴい。思わず1楽章の終わりで溜息ものだ。演奏会だと「観ながら」「聴く」ことになるわけだけれど、全編にわたってヴァイオリンは忙しそうな曲だ、と思った。実際に弾いている側はどう感じるのだろうか。
 4楽章のフィナーレ前で指揮棒が飛ぶハプニングあったが、スケール大きくロマン性も感じる(メロディラインがハッキリしていたこともある)演奏だった。エクストンは録音すべし!
 これはなかなか後世に残すべき演奏になったぞ。(皇帝も録音すればいいけど権利的に難しそうね)