あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

N響 第1965回 定期公演 Aプログラム

マーラー交響曲 第9番 ニ長調

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット

 

 N響定期、ブロムシュテット によるマーラーsym.9番を聴く(NHKホール)。
去年は所沢ミューズで聴いたけれど、1年の間に足腰は弱ったようで介助されながらのステージ入り→座って指揮をしていた(もっとも当時94歳で矍鑠と歩き、立ったまま指揮をしていたのが人類の奇跡のようなものなのだが)。

 しかし、上半身の動きはしっかりしていて、きちんと指示を出していたから安心した。満員のホールは登場から万雷の拍手。
 曲そのものは冒頭一曲目からN響の献身的な姿勢が窺える。そして去年までのイメージからスイスイ進むかと思ったら思い入れたっぷりの1楽章はずいぶんゆっくりに感じる。

 1、2楽章は時々、焦点が合わないというか、今までのブロムシュテット からすると整理しきれていないように感じた。
しかし、3楽章から4楽章にかけての音楽の深まりは凄まじい。
音楽の自然な流れはそのままに、世紀末ウィーンとも死への諦念とも違う、人生への讃歌ともいうべき悦びに満ちた音楽だった。

 逆に4楽章はそれで言えばもっと溜めるかなぁ、と思ったから意外で、そのアプローチだから一層、引き立つように感じた。
コーダの部分など此岸と彼岸の境界のような、ブルックナーでも聴くようなカタルシスな空間だった。
 この経験は今まで聴いてきて初めてだ。

 付け加えると、今日の聴衆は完璧ではないか?
 曲が終わった後の静寂を超えた完全なる沈黙と終わった後の爆発的な拍手。
ブロムシュテットの体調さえ万全であれば明日はどんな演奏になるのか予想がつかない。
 NHKは録音しておくべきではないかなぁ。(してるんだろうな)

NHKso.1965定期