まだみんな生きてます@アルスラーン戦記9・10巻
旌旗流転・妖雲群行 ―アルスラーン戦記(9)(10) カッパ・ノベルス
- 作者: 田中芳樹,丹野忍
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2004/02/20
- メディア: 新書
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以下知らないヒトが読んでも分からないかも。
ここに出てくる表紙はギーヴ。とはいえ読んだこと無いヒトにはサッパリだろうけど。
ギーヴって銀河英雄伝説で言えばポプランとシェーンコップみたいな方向にいるキャラだね。主役のアルスラーンはユリアンに似てるし。
アルスラーン戦記ではビュコックみたいな格好イイ爺さんキャラが出ないので、個人的には残念。
なんであんな標題になったかと言えば、田中作品の真骨頂は「みんな死んじゃう」ことです。その辺はフツーのファンタジーとは違いますね。主人公やそのライバルですらみんな生きていてある意味、大団円を迎える話がマンガに限らず多いけれど、あえてそこはノン・フィクションのように死んでいく。
神話なんかでも「何でここで死んじゃうの」っていう設定があるけれど、それに似ているフシがありますね。別に悲劇を書こうとか思っていないんだろうけど、主役級のキャラクターでも場合によっては死んでしまったりするあたりが、ファンタジー小説にもかかわらず、実際にあったんじゃないかというリアリティを持たせるのに成功しているのだと思う。
そんなわけで、ちょっと緊張したけれど、まだこの時点では死んでないから良かったかな、なんて。
それにしても、もうここまで読んでしまった…。遅筆傾向に歯止めの掛からない田中芳樹がこの話を完結させるのは一体いつになるのやら…。