あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

都民芸術フェスティバル(東京シティ・フィル)

 都民芸術フェスティバルで東京シティフィルを聴きに東京芸術劇場へ。シティフィル、飯守のブルックナー以来、久しぶりに聴く。高関体制になって初めてなので期待してみる。直球ど真ん中な演奏をするけれど、なかなか都響にはこのところ縁がない。(指揮姿が派手でないから!?なんて)

 視覚的には「高関先生と生徒たち」みたいな指揮ぶりだった。エリシュカもそうだけれど指揮科の先生方は棒に曖昧なところが全くない。メンデルスゾーンマーラーも実に輪郭ハッキリと拍節や対旋律まで浮かび上がるように音楽が生まれる。これは面白い。

 重心低めでバスをしっかりと鳴らすのも個人的な好みだ。
マーラーはゆったり目のテンポで実に模範的。テンポの揺らぎや過度なポルタメント、ダイナミズムがなく、病的なところは一切ない、健康的な青春を感じさせる。

 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は山根一仁。音コンで1位取ってからテレビでは聴いた事があったが、実演は初めて。第一印象は「細いっ!」。ジャケットのデザインにもよるのかな。すらっとした姿勢から主題を弾いたんだけれど、「おっ?音が痩せているのかな。」と思ったらドンドン乗ってくる。

 若さ全開でハイフェッツみたいな怪演もあるかと思ったら、そんなことはなく、最後まで聴いて一番イメージに近いのはCDのジャケットに描かれるメンデルスゾーン肖像画。19世紀ロマン主義と言うよりは現在進行形の若者の澱のような、そしてバネがある演奏だ。

 ああ、一番大事なことを書き忘れたけれど、名曲はその曲が持つ力ゆえに名曲であって、気を衒うことなく、斬新な解釈など無くても、音楽はかくも感動的なのだと言うことを、山根、高関の両人は証明したようで、なんとも素晴らしかった。こないだの札響といい、国内オケ、充分良いですよね。