あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

都響スペシャル「第九」

指揮/エリアフ・インバル
ソプラノ/安藤赴美子
アルト/中島郁子
テノール/大槻孝志
バリトン/甲斐栄次郎
合唱/二期会合唱団
ベートーヴェン交響曲第9番 ニ短調 op.125《合唱付》
 恐らく今年ラストの演奏会ということで、都響&インバルによる「第九」を芸術劇場で聴いてきた。フルシャから代打インバルとなったけれど、結果から言って「ケガの功名」といった感じだった。ワインガルトナー的なスコアの変更も辞さないが、シャープなところは相変わらずで聴いていて面白い。
 第1ヴァイオリンは8プルト、倍管で豪華な響きだ。ベートーヴェン・チクルスの時もそうだったけれど「壮大指向の英雄的なベートーヴェン像」(東条碩夫)を2015年の今も披露してくれるのは嬉しい限り。第1楽章コーダの金管近衛秀麿のCDで耳にするような華やかものだったし、第2楽章の弦のユニゾンをしっかり弾かせるところ、念を押すようにも感じられた。第3楽章は一転して祈りにも似た神々しさ、そして終楽章の壮大な盛り上がり。都響の演奏も完璧でこれだけ完成度の高い第九は今後も聴ける機会は少ないと思うほど。都響もインバルの要求する高い水準に実に良く反応していて、このコンビの相性の良さを改めて実感した。
 二期会の合唱も美しく、芸術劇場の音響も良く鳴り響き、充実感溢れる演奏会。以前インタビューで歓喜の歌(合唱)の直前のホルンのリズムについてブライトコプフ「新版」のあのカタチはあり得ない、といったようなことを言っていたけれど、個人的には納得。