正統と異端?〜バーンスタインの第九
- アーティスト: バーンスタイン(レナード),ジョーンズ(ギネス),シュヴァルツ(ハンナ),コロ(ルネ),モル(クルト),ウィーン国立歌劇場合唱団,ベートーヴェン,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2000/10/25
- メディア: CD
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朝比奈に続いて、今回はバーンスタイン。
なにゆえ「正統と異端」としたかといえば、正統はウィーンフィルの演奏だから。で、異端なのはバーンスタインだからです。
ただ、バーンスタインが異端というとファンからクレームが来るかもしれませんね(苦笑)。異端というか、当時は異端、みたいなね。
というのも、バーンスタインはユダヤ人ながらアメリカ生まれのアメリカ育ち。我々は欧米で括ってしまいますが、その欧米圏内でも、アメリカとヨーロッパは違うんだという認識を持つわけです。
音楽芸術は「振興」国家アメリカなんぞがやったってダメなのさ。といったヨーロッパの優越意識みたいなのがあったらしいです。日本でも京都はやっぱり他と違って、自分のたちの文化伝統に誇りがある、みたいなね。「一見さんお断り」とかさ。
そんなアメリカ人バーンスタインがかのウィーンフィルを振ったベートーヴェンだから凄い。ドイツ・オーストリアの作曲家、とりわけベートーヴェンやブラームスは大味な印象と言われることもあるバーンスタインですが、ここでは伝統あるウィーンフィルの力もあって、そんなことは感じさせません。
この演奏を聴くと、ウィーンフィルが巧くて、前回の大阪フィルの技術にがっかりしちゃいます…。
バーンスタインは晩成することなく他界してしまったため、精神的深みという点で、劣るところもありますがスケール感もあるし、それ以上にメリハリとここぞという時の躍動感はピカイチです。
合唱もきれいに収録されているので、オーソドックスな第九としては真っ先に進められるでしょう。欲を言えば、もっと合唱に厚みがあれば良いんでしょうけどね。ホールの構造上仕方ないのかなぁ…。