あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

正統と異端?〜バーンスタインの第九

ベートーヴェン:交響曲第9番

ベートーヴェン:交響曲第9番

 朝比奈に続いて、今回はバーンスタイン
 なにゆえ「正統と異端」としたかといえば、正統はウィーンフィルの演奏だから。で、異端なのはバーンスタインだからです。
 ただ、バーンスタインが異端というとファンからクレームが来るかもしれませんね(苦笑)。異端というか、当時は異端、みたいなね。


 というのも、バーンスタインユダヤ人ながらアメリカ生まれのアメリカ育ち。我々は欧米で括ってしまいますが、その欧米圏内でも、アメリカとヨーロッパは違うんだという認識を持つわけです。
 音楽芸術は「振興」国家アメリカなんぞがやったってダメなのさ。といったヨーロッパの優越意識みたいなのがあったらしいです。日本でも京都はやっぱり他と違って、自分のたちの文化伝統に誇りがある、みたいなね。「一見さんお断り」とかさ。

 そんなアメリカ人バーンスタインがかのウィーンフィルを振ったベートーヴェンだから凄い。ドイツ・オーストリアの作曲家、とりわけベートーヴェンブラームスは大味な印象と言われることもあるバーンスタインですが、ここでは伝統あるウィーンフィルの力もあって、そんなことは感じさせません。
 この演奏を聴くと、ウィーンフィルが巧くて、前回の大阪フィルの技術にがっかりしちゃいます…。
 バーンスタインは晩成することなく他界してしまったため、精神的深みという点で、劣るところもありますがスケール感もあるし、それ以上にメリハリとここぞという時の躍動感はピカイチです。
 合唱もきれいに収録されているので、オーソドックスな第九としては真っ先に進められるでしょう。欲を言えば、もっと合唱に厚みがあれば良いんでしょうけどね。ホールの構造上仕方ないのかなぁ…。