あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京都交響楽団 第827回 定期演奏会

ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 op.15
ブラームス交響曲第4番 ホ短調 op.98
指揮/大野和士
ピアノ/シュテファン・ヴラダー
 
 今年度最後の都響定期公演が終了した。大野和士によるブラームスのピアノ協奏曲1番と交響曲4番のプログラムだ。ピアノ協奏曲もなかなか良かったが、後半の交響曲が「凄演」の類でだいぶ印象が薄まってしまった。それだけの演奏だと思う。
 大野はこの曲(交響曲第4番)をきわめて雄渾に、男性的な逞しさ(語弊があるが)を持って描ききっている。弓を大きくとって一気に弾くボウイングや強烈なピチカート。ティンパニも無骨に響くほどの強烈さである。こういうブラームスの第4交響曲も珍しい。時折、テンポを遅くするあたりはブラームスの溜息のようにも感じる。でも、クレンペラーの録音や実演の朝比奈隆のように人生を肯定的に回顧する老人の黄昏といった面影ではない。まだまだ盛りであることを高らかに謳った、そうした初めて聴くタイプの演奏であった。