あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京都交響楽団 第939回定期演奏会

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指揮/大野和士
ピアノ/阪田知樹

フマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30    
ショスタコーヴィチ交響曲第5番 ニ短調 op.47

ソリスト・アンコール】(12/20up)
ニールセン:『楽しいクリスマス』の夢
(ピアノ/阪田知樹)

 今日は珍しく都響B定期を聴いてきた。月曜にサントリーHなんて普段なら絶対に断念するんだけれど、暮れの忙しさのピークをようやく乗り切って有給を少しだけ消化できる余裕ができた。
 毎回1回券扱いだから、自分の都響人生で1番音がいい座席をとってみた。東京フィルだとSS責に当たる座席だ。サントリーは座席によるムラ多すぎ! サントリーの音響を愛でる人がいて今まで不思議に思っていたんだけれど、確かに場所によっては至上の音色である。コレは満足度が高い!

 前半はラフマニノフのP協奏曲。阪田知樹は濃厚ロマンティズムというよりはクリアな打鍵でサラッとした情感のピアノを弾いていた。アシュケナージっぽいけどそこにもうちょっとだけ意欲的にロマンティズムを塗してみました、というような。(褒めている)颯爽と弾いて大したもんだ。

 後半はショスタコーヴィチの5番。
 社会主義リアリズム、というよりもロマン派→新古典派的な位相に位置付けているような演奏。大野和士が振ると曲の文学的側面が強調され、私小説を読むかのような演奏になるのだけれど、今回も3楽章、4楽章では顕著だったように思う。
 コレはコレであり。もっとも、同曲は都響定期演奏会(文化会館だったけど)でインバルで聴いた記憶がある。その時はソ連の生々しさを知る世代ゆえのソ連プロパガンダ映画のような場面もあったりで、個人的にはそっちの方がしっかりくる。それでもオケは大野の意図を非常によく汲んできわめて高いレベルで再現していたように感じられた。フルートはじめ木管群がよかったが、とりわけ弦セクションの細部まで揃った弓使いや細かなニュアンスあたりは「さすが都響!」という感じで実に素晴らしかった。
大きな傷もなく、非常に満足度が高い演奏会だったと思う。
(家に帰ったら少し仕事をしなくちゃいけないのが微妙だけど)