あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

アジア オーケストラウィーク2021・大阪フィルハーモニー交響楽団

指揮/秋山和慶 ピアノ/児玉 桃
グエン・メイツィ・リン:「穏やかな風」オーケストラのための
細川俊夫:月夜の蓮―モーツァルトへのオマージュ―ピアノとオーケストラのための
ベートーヴェン交響曲第5番ハ短調 作品67 「運命」

 今日は「アジアオーケストラウィーク」1日目を聴きにオペラシティへ。久しぶりの大阪フィル。 指揮は秋山和慶でピアノは児玉 桃。
 グエン・メイツィ・リン「穏やかな風」
 細川俊夫「月夜の蓮―モーツァルトへのオマージュ」
 ベートーヴェン交響曲第5番のプログラム。

 メイツィ・リンは大陸に“そよそよと吹く風”と言った趣き。聴きながらロシアっぽいような感じもする。コレ、ベトナムのオケと指揮者でやったらどんな響きがするのか・それとも変わらないのか気になる曲だ。(伊福部を聴くように土っぽさがあるのかないのか)

 細川俊夫は本人がいた。(そんな予感はした)。
曲を聴きながら映像がハッキリと浮かぶのは自分の中では珍しい。静謐な夜、一人で草っ原を歩いていると近くの沼の水面に月が浮かぶなか、風がふっと吹き抜けていく。
メイツィ・リンもそうだけれど両作品とも映像としての風が“見える”のだ。

 ベートーヴェンは安定感抜群。第4楽章は本当にアレグロだ。昔に比べて大らかになった秋山の音作りがストレートにベートーヴェンとガッツリ組み、質実剛健な曲となった。軟弱なところは一切ない。
欲を言えば第1楽章同様に第4楽章もリピートしたら内的テンションは更に高まったと思う。大阪フィルも弦がしっかり鳴っている。オペラシティもプラスに作用しているのだろう。ピラミッド型の大フィルサウンドが随所に炸裂する。(無論、秋山の的確な指揮によって朝比奈時代のように“はみ出す”程ではなくなったが)
 結果、正攻法の「本当にベートーヴェンは立派な曲を書いた」と思うような演奏になったと思う。
 本当に毎回書くけれどコロナ禍で邦人指揮者の登場が増えている今だからこそ、秋山和慶に王道のレパートリーをまとまった形で振ってもらい、録音を残してもらいたい。
円熟の名匠である。

www.orchestra.or.jp