あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

東京都交響楽団 都響スペシャル「第九」

指揮/大野和士
ソプラノ/小林厚子
メゾソプラノ/富岡明子
テノール/与儀巧
バリトン/清水勇磨
合唱/二期会合唱団
ベートーヴェン交響曲第9番 ニ短調 op.125《合唱付》

 withコロナ2年目の2021年のラストコンサートは都響&大野和士コンビのベートーヴェン「第九」だった(東京文化会館)。
 今年は定期会員でありながら毎回1回券扱いとなってしまったし、夏まではワクチンも接種できず・家に後期高齢者もいたりで、コンサートの時期と場所はだいぶ慎重に選んだ1年だった。今後もオミクロン株がどうなるか全く余談を許さないが、こうして2年ぶりに第九が聞けたのは本当に感慨深いものがあった。
 肝心の演奏は第九1本勝負という近年の都響スタイルでありながらも充実度においては非常に高い演奏会だったと思う。
 前回のB定期の勢いのままとても充実した響きがオケから聴けた、大野の解釈も(同コンビ・同会場で)数年前と比べて神経質になって曲のエネルギーを削ぐようなこともスケールを小さくするようなこともなく、存分にオケを鳴らしながらストレートに曲に内在する力強さを表現できていたように思う。
 それでいながら文学的に曲の内面を覗き込むような繊細なニュアンスの変化にも都響は十分に反応していたと思う。
 東京文化会館は豊饒な響きではないかもしれないが、ストレートに楽器の美しさが響くだけの残響を持つホールだと思う。厚化粧をしないと言えばいいのか。都響はさすがホームにしているだけあって、このホールでオケが美しく響かせる方法を熟知している。しなやかな体操選手の筋肉のような弦の美しさやホルンはフルートの響きだ。
 今年も二期会の合唱は素晴らしく、苦しい状況にありながらも未来への力強い希望を感じさせるに十分な歌声だった。
 ワガママを言えば自分はブライトコプフ旧版の方が好きだなー。

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