あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

《響の森》Vol.50「傑出のブラームス」(東京都交響楽団)

《響の森》Vol.50「傑出のブラームス

ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 Op.102

ソリスト・アンコール〉

ヘンデル=ハルヴォルセン:パッサカリア

 

ブラームス交響曲第1番 ハ短調 Op.68

指揮:秋山和慶

ヴァイオリン:成田達輝 *第5回東京音楽コンクール弦楽部門第1位及び聴衆賞

チェロ:笹沼樹 *第12回弦楽部門第2位

管弦楽東京都交響楽団

 

 《響の森》Vol.50「傑出のブラームス」、秋山和慶都響を聴いてきた。ブラームスの二重協奏曲と交響曲1番の渋〜い組み合わせ(1番はそうでもないか)。ソリストは成田逹輝と笹沼樹。二重協奏曲は私生活上も友人であるという成田笹沼の息のあったアンサンブルが愉しい。若さだなぁ、と思う勢いの良さが特にチェロから感じられる。
 ただし、秋山の音楽作りがだいぶオールドスタイルを志向しているのでオケとソリスト2人の方向性が必ずしも一致していない印象も受けた。それぞれは素晴らしいけれど協奏曲としてはハマりきっていない、ような感覚とでもいうのかな。たとえばベーム、シュナイダーハーン、マイナルディのザルツブルク・ライブみたいなのとは違う。
ただ、演奏頻度が低い曲なので、若きソリスト2人の演奏は非常に貴重だし聞けてよかったと思う。今後も聴く機会はレアなのではあるまいか。
 後半の1番は秋山和慶横綱相撲みたいな演奏だった。スケールが大きいが品行方正な最近の秋山のスタイルがこの曲に合っている。ティンパニが随所に活躍しトランペットやホルンが時折、咆哮するのが東響で聴ける秋山の演奏なんだけれど、都響は弦の密度の高さがベースになっている分だけ曲の立派さが引き立つことになる。コロナ禍でN響の指揮台に度々立ったときに「良いオケで秋山の王道の曲を聴いてみたい」と願っていたが今回、そのチャンスが巡ってきて何よりである。
 取り立ててどこが、という突出したところはないんだけれど、どこをとっても充実感のある演奏で「ブラームスかくあるべし」とでもいうべきものだった。

 実は明後日の新百合の東響との2番・4番も買ったので、大変楽しみである。
個人的には3番が一番好きな曲なので、3番もやってくれないかな、と思うし、今こそレーベルは“今の秋山”でベートーヴェンブラームスを録音すべきだと思う。
 今でしょ!!!

 

《響の森》Vol.50「傑出のブラームス