東京都交響楽団 第970回定期演奏会Aシリーズ
年度末最後の(というより、コレ一回しか行っていないんだけれど)コンサートは都響A定期、東京文化会館でマーラーのsym.2番、指揮は大野和士。ソプラノが中村恵理、メゾソプラノに藤村実穂子。そして合唱は新国立劇場合唱団。
この布陣で悪いはずはない。ようやく「withコロナ」という気がする。
マーラー演奏に一日の長がある都響だけに、今日も「やっぱマーラーにかけてはN響より上手いなぁ」と思う瞬間がいくつかあった。
冒頭のチェロとコンバスのビブラートを限りなく抑えた硬質な響きがデッド(だけど響く)な文化会館を支配する。第1楽章再現部直前のクライマックスとも言える部分は思わず落涙しそうになるほどの密度と上手さで聴きながらビックリした。
あと、誰もが言っているけれど「原光」の藤村実穂子の歌唱力はやっぱりイイのだ。素晴らしい。第2~4楽章が穏やかにスルッと進んでいくぶん、歌が映えるように思えた。大編成過ぎる2番だけに、もっと前に出て歌って欲しかったけれど、録音や座席によってはもっとハッキリ聞こえるのだろう。(自分の席は前列なので楽器が強すぎた)
11人もいるホルンは壮観で、金管、木管は総じて大健闘。若干傷はあったが、ライブゆえ、気にならなかった。
大野のアプローチは内省的に理性的であるがゆえに自分の好みからすると、物足りなさもあるのは事実(インバルやコバケンだとどうなるのだろう)なのだけれど、この曲を1つの曲としてよくまとめきっており、80分、集中の糸が切れることなく聴き通すことができた。今日はマイクがいっぱい立っていたけれど、きっと明日のサントリーは今日のちょっと乱れたところも充分練られて、まさに盤石な状態で聴けるのではないかなぁ,と思う。
あと一回くらいコンサート行けると良いんだけれど。
映画で我慢するかなぁ。。。