あれぐろ・こん・ぶりお 2楽章

備忘録も兼ねて。日記なんて小学生の時宿題で課された1年間しか続かなかったのですが、負担にならないように書けば続くものですね。

アルゲリッチを今年も聴けた。

日本生命presents ピノキオ支援コンサート 室内オーケストラ・コンサート
別府アルゲリッチ音楽祭・水戸室内管弦楽団共同制作

出演
ディエゴ・マテウス
マルタ・アルゲリッチ
水戸室内管弦楽団
プログラム
S. プロコフィエフ交響曲 第1番 ニ長調 op.25〈古典的〉
I. ストラヴィンスキー:〈プルチネッラ〉組曲
Z. コダーイ:ガランタ舞曲
M. ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調

 今日はアルゲリッチ音楽祭in東京、とでも言うべき、水戸室内管弦楽団との共演だった。
 水戸室内管は初めて。ずっと気になってはいたけれど、なぜかタイミングと曲目で縁がなく、仕事を工面してでも聴きに行こうとは思わずにいて今に至ったけれど、個々のプレーヤーの技量が高く、室内オケながら音圧は充分。
プロコフィエフから音量に不足しない。ストラヴィンスキー「プルチネッラ」のファゴットの巧さ、コダーイ「ガランタ舞曲」のクラリネットオーボエがニュアンスに富んでいて印象に残った。
 もっとも、指揮のディエゴ・マテウスはインターナショナルな感じでコダーイの土っぽさやラヴェルの小粋な感じ(エスプリ感,とでも言うのか)は感じられずに表現力としては没個性的かなぁ。悪くないけど、凄くよくもない。来月のデュトワと比べてどうか。
 オケの個々人のアンサンブルを聴く演奏だったと思う。
 事実上、メインプログラムとなったラヴェルのピアノ協奏曲は、自分としては念願の、というか、ついに、という演奏。
 とはいえアルゲリッチも御歳81歳である。これがラフマニノフとかチャイコフスキーだったら苦しいかもしてないが、ラヴェルであればマルグリット・ロンの録音も80歳くらいの時の演奏であれだけ素晴らしいし、問題は少ない。聴きどころは(スマホ鳴ったが)2楽章だったと思う。変幻自在、音符があそんでいるかのような演奏。そのまま3楽章も良かった。アンコールで3楽章をやってくれたが、そっちはいっそう思いっきり弾いている感じ。遊んでいるとでも言うのか。全体の統一感とか緊張感とかは当然最初の方。アンコールは、まさにアンコール向けに弾いたな、と。
 とはいえ、去年も思ったが、歩き方とかすっかりおばあちゃんなんだけれど、弾き出すとやっぱりそこはアルゲリッチなんだな、と思った。
 とても幸せな時間だった。聴けたことを一生の宝物にしたい演奏会だった。