出演
指揮:グイド・マリア・グイーダ
ピアノ:谷昂登
パシフィックフィル定期を聴きに行く。
8月は基本的にオケは無いから、この時期のコンサートは魅力的だ。(地方回りしてるしね)
ブラームスのp協奏曲2番(ソリスト谷昂登)、R.シュトラウスの交響的幻想曲で指揮はグイド・マリア・グイーダ。指揮者・ソリストいずれも初めてづくしの組み合わせ。特に谷昂登が期待の若手なので、その彼が敢えてのブラームスに協奏曲2番。そもそも演奏機会が少ないし、それを日本人ピアニストが弾くというので興味深い。
ブラームスから予想以上に良い。グイーダがスケール大きく豊かにならす。伸び伸びとはじまるホルンに応えるピアノが実に気持ち良い。ロマン派的なテンポルバートをかけながらのピアノである。
それに留まらず、若さがプラスに働くクリアで力強いタッチ。1楽章にはカロリーあって非常に楽しい。3楽章はチェロが美しく、オケはよく歌っている。ピアノは若干、フォーカスがボヤけるかも?この辺りはバックハウスやルービンシュタインの最後の録音がとんでもない深みにあるのを考えると、ブラームスのこの曲は年寄り向きなのかも(苦笑)とも思ってしまう。けど1楽章はバリバリ弾いて欲しいし。。。4楽章のジプシー風な音楽は今までいくつか録音聴いてきたけど、あっさり気味。たぶん楽譜に忠実なのはコッチなのだろう。だとすると、「コレはこう弾くんだよ」的な伝統芸に属するものなのかもしれない。しかし、谷はこの曲初めてではないのか?コレはすごいことだと思う。今後が超楽しみなのではないか?
R.シュトラウスはメロディーライン全開のたのしい曲。実演で聴くのは初めてかもしれない。今まで演奏効果がなさそうな曲だと思っていたが大間違い。1楽章から豊かな響きが生まれている。2楽章、3楽章はノッペリとしがちなのだが起承転結というか、盛り上がりを上手く作っていた。終楽章はフニクラのテーマなのでフツーにやっても盛り上がるのだが、上述した理由で効果満点。この曲はこんなに面白かったんだと、認識を改めた次第。
グイーダ、なかなかの職人である。日本は知名度が今ひとつだったのが惜しい。コレをきっかけに来日が増えてほしいと感じた。