[出演]
指揮/サッシャ・ゲッツェル
ヴァイオリン/ネマニャ・ラドゥロヴィチ
[曲目]
リャードフ:ポロネーズ ハ長調op.49-プーシキンの思い出に-
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 op.64
今日は都響定期演奏会。定期会員になって初めての日曜昼間の東京文化会館である(第九とかは除く)。
オール・ロシアンプログラム。流石にチャイコフスキーは曲目変更にならなかった。コレはコレ、それはそれである(プーチンの行為は断じて許されるべきでもない)。
ラドゥロヴィチのVn.協奏曲は神品。天才肌による表現力の塊のような演奏。オイストラノフとか、過去にも表現意欲に溢れる名演奏はたくさんあったが、全く異なるベクトルによる極めて完成度の高い演奏だった。
大胆にして繊細。弱音が美しい。変幻自在に音符と戯れているかのよう。指揮はしっかり合わせている。アンコールも超絶技巧。そうか、いつもの都響A定期と今日の客層の違いはコレであるな。
後半のチャイコフスキーの5番は都響の弦をフルに鳴らしている演奏。聴いていて気持ちが良いが、1楽章は結構スロー。でもチェリビダッケのような手練や朝比奈のようなロマン的表現に欠けるので、一辺倒な印象。一方で4楽章は一転して快速にグイグイ行った。1楽章のスローさはこのための布石であったか!とも思うけれど、それほど効果的ではなかったかな。
せっかくの都響の機能なのになんだかもったいない。それでも、やっぱり5番は「映える」ので聴いていて面白かったのは確か。時にはこういうのもアリ。